仙台教会 「仙台あおばの会」 一般市民向けに講義配信 

3日には、仙台市内の放課後等デイサービス事業所で管理者を務める阿部氏が講義。障害のある人が社会生活で感じる障壁(バリア)について説明した(「Zoom」の画面)

立正佼成会仙台教会の「仙台あおばの会」(代表=齋藤忠夫・東北大学名誉教授)が運営するオンライン講義「あおば市民大学」が8月から始まり、一般市民を対象に月2回、公開授業を行っている。社会のさまざまな課題を生活者の観点から理解を深めてもらうのが願いだ。

「仙台あおばの会」は、同教会会員を含む宮城県内の学識経験者や社会貢献活動に励む人たちによって5年前に設立された。地域社会が抱える課題に協働して取り組むことを目指し、メンバーが定期的に研さんを重ねるほか、一般市民向けの講演会などを開いてきた。

新型コロナウイルスの感染拡大により、参集型の講演会開催が難しくなり、新たに「あおば市民大学」としてオンライン講義を配信することになった。講師は、同会のメンバーである大学教員や議会議員をはじめ、各分野の専門家が担当。これまで、『脱プラスチックで海の豊かさと私たちの健康を守る』『暮らしと政治』などをテーマに講義(質疑応答を含めて1回1時間)が行われてきた。

10月3日には、仙台市内の放課後等デイサービス事業所(障害のある就学児童に対し、個々に応じた発達支援を提供する施設)で管理者を務める阿部一也氏が、『障害のある方への合理的配慮』をテーマに講義を行った。阿部氏は、心身機能に障害のある人が社会生活で感じる障壁(バリア)を解説。段差や狭い通路は車椅子が通れない、耳が聞こえにくい人には緊急時のアナウンスが分からないといった事例を挙げ、社会の中にあるさまざまなバリアを取り除く必要があると語った。

その上で、困っている人を見かけた時の対応として、まずは声をかけ、相手の求めに応じて具体的な手助けをすることが大事と強調。白杖(はくじょう)を掲げていたら助けを求めているサインであることや、車椅子を使用している人は目線を合わせて話してもらうと安心することなどを紹介し、障害のある人への理解を求めた。

同会の齋藤代表は、「社会のタイムリーな話題を講義のテーマに取り上げることで、時事的な課題や健康、教育などの問題に対する市民の皆さんの関心に応え、専門知識を提供していければと願っています。多くの方々に受講して頂き、知識と連帯の輪を広げて、共に豊かな社会を構築していきましょう」と熱いメッセージを寄せている。

講義は、「Zoomウェビナー」による双方向型(対話型)の授業形式で行われる。受講は無料で、事前申し込みは不要。動画共有サイト「YouTube」でもライブ配信され、多くの講義はアーカイブでも視聴できる。

あおば市民大学ウェブサイト https://aobadaigaku.wixsite.com/website