教えを学び伝える「和合衆」に 「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で庭野会長が法話

庭野会長は会員たちに、それぞれの住む周りをオアシスのような地域にしていくことが世界平和につながると説いた

9月15日、立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が大聖堂(東京・杉並区)で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の模様は、インターネットの動画共有サイトでライブ配信(会員限定)された。

式典では庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、深田伊佐夫習学部主幹(学林大樹グループ)が体験説法に立った。

深田主幹は、大学で農学を学んだ後、学林本科に入林してから青梅練成道場に配属されるまでの経歴を紹介。同道場では、練成会に参加する会員たちが多くの学びを得、仲間と善き縁が結べるようにと祈りを込めて受け入れにあたるとともに、地域の人々と協力しながら青梅の森林保全に取り組んできたことを発表した。

また、かつて病を患って生死の境をさまよったが、奇跡的に回復し職場復帰できたことを通して、生かされ、多くの人に支えられている自分であると自覚できた体験を語った。その上で、今後も人材育成や地域社会での実践、自然と人間が調和した世界の実現に一層努めることを誓った。

続いて法話に立った庭野会長は、信仰者として、教えに出遇(であ)えたことを有り難く受けとめ、感謝の心で人生を過ごす大切さを示した。また、皆がそうした感謝の心を持ち、仏の教えを学び伝える人の集まりである「和合衆」として教団を築くとともに、本部や教会の周辺、自分が住む周りをオアシスのような地域にしていくことが、大きくは国や世界の平和にもつながると教示。そうした努力が法華経に示された菩薩行であると説いた。

さらに、人間が生きる上で、自分は「人生の専門家」であると言える人は誰もおらず、釈尊や孔子といった「四聖」をはじめとする聖人たちを見習い、人間として向上しようと精進してきたからこそ今日の文明、文化があると明示。直接に教えを受けられなくても、尊敬する人の言葉や行動、著書などから生き方を学び、その人を模範として慕う「私淑(ししゅく)」の大切さに触れ、「尊敬する聖人のようになりたいという気持ちを持って私淑し、いろいろなことを学んで精進をさせて頂くことが人間として大事」と述べた。