WCRP日本委 タリタクム日本と共催しオンラインで「人身取引の犠牲者と生存者のための宗教者の祈り」

閉会挨拶で宍野師は、人身取引の根絶を目指し、宗教者として祈りと行動を起こす重要性を語った

国連が定めた「人身取引反対世界デー」にあたる7月30日、「人身取引の犠牲者と生存者のための宗教者の祈り」が、ウェブ会議システムを使って開催された。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の人身取引防止タスクフォースとタリタクム日本(日本カトリック難民移住移動者委員会)によるもので、宗教者ら約300人が視聴した。

同集いは、人身取引の犠牲者の苦しみに思いを馳(は)せ、被害者の救済を願って、宗教の枠を超えて共に祈りを捧げるもの。

当日はタリタクム日本の森下ワカヨ・シスターによる開会挨拶に続き、外国人技能実習制度により来日したベトナム人が、受け入れ先の企業で受けた不当な扱いが映像で紹介された。

この後、キリスト教、仏教、神道、イスラームの代表が、それぞれの宗教儀礼に沿って祈りを捧げ、参加者と共に人身取引の根絶と被害者の心の安寧を祈念した。仏教の祈りでは、立正佼成会の和田惠久巳総務部副部長(国際宗教協力専任部長)が、代表の一人として「普回向」を奏上した。

次いで、瞑想(めいそう)の時間が設けられ、それぞれが祈りを深めた。閉会挨拶で同タスクフォース責任者の宍野史生・神道扶桑教管長は、問題解決への宗教者の決意として、「全ての人が神仏より与えられた命を大切にし、幸せを感じられる人生が送れるように、誰一人取り残されることのない世の中の実現を目指していきたい」と述べた。