北朝鮮拉致問題の早期解決を 新宗連が安倍首相に要望書を提出

公益財団法人・新日本宗教団体連合会(新宗連)の保積秀胤理事長(大和教団教主)が3月15日、東京・千代田区の首相官邸を訪れ、「北朝鮮による日本人拉致被害者の即時帰国を求める要望書」と、加盟教団代表24人の署名簿を安倍晋三首相に手渡した。

新宗連は平成22年、北朝鮮による日本人拉致事件の被害者全員が帰国していない状況を受け、「北朝鮮による日本人拉致被害者の即時帰国を求める請願署名」活動を展開。この活動に賛同した37万7298人の署名が集まった。翌年2月には、署名簿と要望書を中野寛成・拉致問題担当国務大臣(当時)に提出。政府に対し、拉致問題の早期解決を訴えた。

さらに、拉致問題の風化を懸念し、平成29年度事業計画では拉致問題の解決への取り組みを重点課題の一つに選定。今年4月から1年間、各総支部・協議会で学習会を行い、拉致被害者の即時帰国に向けた啓発活動を展開していく。

「要望書」では、昭和26年に新宗連を結成して以来、人類の福祉と世界平和への貢献を目的に諸活動を展開してきたことを説明した上で、「北朝鮮による日本人拉致事件は、わが国の主権及び国民の生命と安全に関わる問題であり、政府の責任において解決すべき最重要課題」と指摘。拉致事件の発生から長い年月が経ったことで被害者の家族の高齢化が進み、多くの国民が焦燥感を募らせているとし、「政府に早急に施策を講じるよう強く要望申し上げます」と訴えた。また、新宗連としては、「民間の立場から拉致被害者の即時帰国に向け、いっそうの啓発活動に努めていく所存であります」と決意を表明した。

15日午後、保積理事長はじめ、宮本惠司常務理事(妙智會教団法嗣)、川端健之常務理事(立正佼成会理事長)、田澤清喜理事(松緑神道大和山教主)らが首相官邸を訪問。保積理事長が安倍首相に「要望書」を手渡した。