一食平和基金 エチオピア北部・ティグレ州の避難民を支援 200万円の拠出を決定 UNHCRを通しキャンプへ送付

紛争で難民キャンプを追われた人々に現状を聞くUNHCR職員 ©UNHCR/Petterik Wiggers

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、エチオピア北部ティグレ州で発生する避難民への支援に、200万円の拠出を決定した。

アフリカ東部エチオピアでは昨年11月、連邦政府軍がティグレ州政府与党の人民解放戦線(TPLF)に対する軍事作戦を決行。その後、TPLF側が武力で対抗し、同州は政治的にも、社会的にも不安定な状況が続いている。これまでに国内避難民は65万人に上り、6万人以上が隣国スーダンに逃れている。また、連邦政府は同州制圧後、隣国から同州に逃れていた難民を収容する4カ所のキャンプのうち2カ所を閉鎖したことで、多くの難民が周辺地域に流出。紛争の激化、道路の通行止めや通信環境の遮断などで、支援が行き届かない状況が続いていた。

現在は、キャンプへのアクセスが許可されたため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)による支援活動が開始されている。

一食平和基金は同州で、「アフリカへ毛布をおくる運動」で収集された毛布の配付を1984年から2011年まで、植林活動を1993年から現在まで行っており、それぞれの事業において本会会員がボランティア隊として渡航してきた。今回の軍事衝突で民間人にも多数の犠牲者が出ており、毛布を受け取った人々の安否も危惧される。

今後も国内の混乱と難民の増加が懸念されており、こうした状況から同運営委は、UNHCRを通しての支援を決定。UNHCRは、ティグレ州で難民を受け入れるキャンプの運営のほか、緊急用シェルターの支給、水や衛生用品、防寒用品などの配布に取り組んでいる。200万円の支援金はこうした活動に役立てられる。