庭野会長 「朔日参り(布薩の日)」式典で法話 いのちの実相に感謝を

庭野会長は、仏教徒として日々感謝の念を深め、精進する大切さを説いた

3月1日、立正佼成会の「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典が大聖堂(東京・杉並区)で挙行され、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の模様は、インターネットの動画共有サイトを使って、会員向けにライブ配信された。

式典では庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた。仏讃歌『久遠のしらべ』の斉唱に続き、田中啓之習学部次長(教育グループ)が体験説法。生後8カ月の時に父が他界し、その後、信仰心の篤(あつ)い母や祖父母をはじめ、多くの人の温かさに包まれて育ち、教会の学生部活動に参加するようになった経緯を述べた。

また、本部に奉職し、青年教務員として少年部員と触れ合う中で、小学校の教員だった父が大切にしていた「子供には無限の可能性がある」という言葉の意味をかみしめた体験を発表。コロナ禍の現在、会員に習学の機会を提供するため、習学部次長としてオンラインを中心とした各種教育の充実に努めていると語った。

この後、庭野会長が登壇。法話の中で、「人の生(しょう)を受くるは難(かた)く、やがて死すべきものの、いま生命(いのち)あるは有難(ありがた)し。正法(みのり)を耳にするは難く、諸仏(みほとけ)の世に出(い)づるも有難し」という『法句経』の一節を紹介した。人として生まれ、今こうして生命があるのは有り難く、正しい教えに接し、仏に巡り合うことも難しく、有り難いことであるとの意味を解説し、この一つ一つをかみしめて、「ありがとう」と感謝を深めていくことが大事と述べた。

さらに、人間は先祖や両親のおかげでこの世に生を受け、太陽の光、水、空気、動植物など、宇宙の一切合切によって生かされていると説示。「こうしたいのちの実相(ありのままの姿)に感謝することを、お釈迦さまは教えてくださっています。『有り難い』『感謝』の意味合いをしっかりと捉えるならば、素直な心で、毎日を精いっぱい生きていけるのです」と述べた。