庭野平和財団 「第38回庭野平和賞」受賞者を発表 台湾の尼僧、昭慧法師に
「第38回庭野平和賞」の受賞者が、台湾の尼僧で、社会運動家の昭慧(チャオフェイ)法師(63)に決定した。公益財団法人・庭野平和財団は2月26日、オンラインの記者会見を開き、席上、庭野浩士理事長が発表した。
昭慧法師はミャンマー・ヤンゴンに生まれ、8歳の時に家族で台湾に移住した。21歳で仏門に入り、その2年後に具足戒を受け、僧侶となった。現在、玄奘大学宗教文化学部教授。仏教に説かれた「すべての生命が尊ばれる世界」を実現するため、環境保全や男女平等、賭博禁止などの社会運動を展開した功績が認められ、今回の受賞となった。
宗教活動に加え、1993年に「自然保護協会」(LCA)を創設して国民に動物虐待の終止を訴え、動物の生命の尊重と保護を目的とした「動物保護法」の制定に導いた。2009年にカジノを合法化させる動きがあった際には、ギャンブル禁止を訴える連合の会長に選出され、多くのNGOや学者、諸宗教指導者と協働して賭博への民意を問う住民投票を実現させた。さらに、死刑廃止運動、反核運動、仏教界におけるフェミニズム運動、LGBT(性的少数者)支援など、幅広い運動を牽引(けんいん)している。
宗教学の研究者として台湾の学術の発展にも大きく貢献。教育者として仏教精神を広める青年の育成にも努めてきた。
台湾の受賞者は、2007年、財団法人「台湾仏教慈済慈善事業基金会」創始者の證厳法師に続き、2人目となる。
※「第38回庭野平和賞受賞者発表」の詳しい報道は、3月4日(木)に掲載します