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セルビア正教会の新たな総主教にポルフィリエ・ペリッチ師 「対話の人」と呼ばれる
2月17日、セルビア正教会の新たな総主教に、ポルフィリエ・ペリッチ師(60)が選ばれ、翌18日にセルビア・べオグラードの総主教座大聖堂で就任式典が執り行われた。
同師は、新型コロナウイルス感染症によって昨年11月20日に帰天したイリネイ総主教の後継者で、第46代総主教となる。ベオグラードとアテネ(ギリシャ)で神学を修め、1999年に38歳で主教に任命された。2008年には、セルビア国営ラジオ・テレビ放送の局長に選出され、宗教番組の制作に尽力。その後に従軍司教を務め、14年からザグレブ(クロアチア)とリュブリャナ(スロベニア)の大主教を務めた。カトリックが主流のクロアチアで活動した経験を持ち、「対話の人」として知られている。
セルビア正教会は、50主教区に約1000万人の信徒がおり、マケドニア、モンテネグロ、コソボの正教会にも大きな影響力を持つ。就任式典には、同正教会の聖職者や信徒、セルビア大統領、閣僚、キリスト教諸教会の代表者が参加した。
同師は説教の中で、「キリストは私たちの模範であると同時に鏡である」と強調。「教会の使命は、平和の構築にある。心のうちに神の平和を持つならば、私たちは人と調和し、自身とも“和解”できる」と説いた。また、14年7月にザグレブで行った説教に言及し、「私は人々をつなぎ、橋を築き、誰とでも対話するための努力を惜しまない」と述べた。
バチカンのキリスト教一致推進評議会議長のクルト・コッホ枢機卿は、同師の総主教就任に際し、「教会間の関係を深めるため、協力していきましょう」と呼びかけるメッセージを送り、祝意を表した。旧ユーゴスラビア(セルビア、モンテネグロ、マケドニア、コソボ)のカトリック司教たちも、「新総主教は、正教会と、その信徒たちを導くだけでなく、セルビア社会全体の普遍的な真理である福音の価値を伝えるために、重要な役割を果たす」と示したメッセージを送付したことを明かした。