IPCR国際セミナー 日中韓から約80人が参加

日中韓の3カ国をオンラインでつなぎ、コロナ禍の中で果たすべき宗教者の役割などを議論した

韓国宗教平和国際事業団(IPCR)の国際セミナーが1月27日、日本、中国、韓国をオンラインでつないで開催された。

同セミナーは、『東北アジア平和共同体構築のための課題』を総合テーマに2009年から毎年開催されている。日中韓の宗教者や研究者らが集い、東北アジア平和共同体の構築に向け、共生と和解への方策、諸課題の解決について議論するもの。今年は新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、オンラインでの実施となった。約80人が集い、日本から世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の植松誠理事長(日本聖公会主教)、同日本委の國富敬二理事(本会理事長)らが参加した。

開会式では、各国代表者があいさつした。この中で植松理事長は、1月27日時点で同ウイルスの感染者が世界で1億人を超えたことに触れ、全ての人が困難に直面する現在、「宗教者の果たすべき役割が問われている」と述べた。その上で、同セミナーでの対話を通し、3カ国の宗教者の協力に期待を寄せた。

この後、『宗教文化に跨る対話――アジア文明共同体を作り上げる』『パンデミックの時代、宗教の二つの顔』『新型コロナウイルス禍の中の人間と宗教者のあり方』をテーマに会合が開かれた。

『新型コロナウイルス禍の中の人間と宗教者のあり方』の会合では、同日本委平和研究所の山崎龍明所長(武蔵野大学名誉教授)が発題。同ウイルスの感染が拡大する中で経済活動を支えることは重要としながらも、コロナ禍が要因と思われる自死者の増加も報告されていると指摘し、いのちを守るための政治の決断も必要と述べた。

さらに、宗教の本義は人々の救いにあると強調。生活困窮者や家庭に問題を抱える人々を支援する宗教者の取り組みを紹介した。