「英国国教会の主教たちが歴史的声明――核兵器の廃絶を」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
“つぶやき合う”ローマ教皇フランシスコとアハメド・タイエブ総長
ローマ教皇フランシスコは11月19日、イスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長と電話で懇談し、その内容をツイッターで明かした。バチカンの公式ウェブサイト「バチカンニュース」が20日に報じた。
教皇はツイッターで、宗教の名を使った暴力をなくし、差別、憎悪を解決する方法として「人類の友愛」を挙げ、その支援をタイエブ総長と再確認したと表明。「兄弟であるアハメド・タイエブ師と話し合うことができたのは、私にとっての喜びであった」と投稿した。
これを受けタイエブ総長は、自らのツイッターで「暴力、差別、憎悪を解消するための手段として、『人類の友愛』を支持し続けていく」と応じた。
教皇とタイエブ総長は一昨年2月、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで「人類の友愛に関する文書」に署名。昨年11月にはバチカンで懇談した。
今年10月20日にローマで開催された「第34回世界宗教者平和のための祈りの集い」(聖エジディオ共同体主催)には教皇と共に、タイエブ総長によって派遣された人類友愛文書高等委員会のモハメド・アブデルサラム・アブデッラティフ事務局長が出席した。同事務局長は、「新型コロナウイルスと同様、人間の良心を襲い、侵食し、古くから廃絶されず、特定の人種を蔑(さげす)む『差別』というもう一つの伝染病に注意を促す」とのタイエブ総長のメッセージを代読した。教皇は、その言葉にじっと耳を傾けていた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)