「開祖さま生誕会」 庭野会長が啓白文を奏上し法話 家庭教育の尊さ、信仰の意義を説示 (動画あり)
立正佼成会を創立した庭野日敬開祖の生誕を祝うとともに、その遺徳をかみしめ、世界平和の実現に向けてさらなる精進を誓う「開祖さま生誕会」が11月15日、大聖堂(東京・杉並区)で開催された。新型コロナウイルスの感染対策として会員は参集せず、式典の様子がインターネットでライブ配信(会員限定)された。
大聖堂の式典は、シンセサイザー奏者のキム・シン氏による序奏で開幕。庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、聖壇上に着座した庭野日鑛会長が「啓白文」を奏上した。
次いで、教団を代表して國富敬二理事長が挨拶。庭野会長が今年の『年頭法話』で、「即是道場(そくぜどうじょう)」の精神で精進する大切さを示したことを受け、『時を守り、場を清め、礼を正す』(教育者・森信三氏の言葉)をテーマとして取り組んできた自らの修行を振り返った。また、現在は誰もがコロナ禍という困難を伴う暮らしを送っているが、困難に直面した時こそ物事を前向きに捉えていた庭野開祖の姿勢に倣い、全会員と心を一つにして、「明るく、楽しく、温かく、精進させて頂きたい」と述べた。
続いて、今年3月5日の教団「創立82周年記念式典」(同ウイルスの感染拡大で中止)で予定されていた功労者表彰が行われた。教会役員功労者242人を代表して大和教会会員(66)、会員特別功労者215人を代表して三島教会会員(85)に、庭野会長から感謝状と記念品が贈呈された。
功労者を代表して新宿教会会員(71)が体験説法に立ち、長年、布教をはじめ仏道精進に励んできた歩みを紹介した。また、定年退職した夫と母親を相次いで亡くし悲嘆に暮れていた時、「佼成」に掲載されていた、「苦労を潜(くぐ)り抜けると、ものごとに対する視野が広くなるばかりでなく、その心に深みが生ずるのです」という庭野開祖の法話を支えに、サンガとの触れ合いを通して「一日一日を乗り越えられた」体験を述懐。コロナ禍の中で「即是道場」の精神の意義を痛感したと語り、さらなる布教伝道に尽くすと誓願した。
この後、再び庭野会長が登壇し、法話を述べた。この中で、11月15日に行われていた「誕生会」では庭野開祖が、七五三を迎える子供やその家族に祝いの言葉を述べていたことに触れ、幼少期における家庭教育の大切さに言及。かつて、武家の子供は3歳ごろから『論語』を素読するなどして、記憶力の良い時期に、人間にとって必要な素養を身につけていたと説明した。その上で、「人間の心というものが健全に育っていくには、家庭が健全でなければならない」と強調し、夫婦円満で、子供を教育できる家庭を築くことが重要と説いた。
また、心や精神を高めるために信仰があり、それは人間の本能であると説示。「飢へて食(じき)を願ひ、渇(かっ)して水をしたふが如(ごと)く、恋しき人を見たきが如く、病に薬を頼むが如く、みめかたち良き人、紅白粉(べにおしろい)をつくるが如く、法華経には信心を致(いた)させ給(たま)へ。さなくしては後悔あるべし」という日蓮聖人の言葉を引用しながら、人間の本能として空気を吸うように、水を飲むように、自然に信仰していくことが大事と述べた。
最後に、会員の感謝の表れとして、杉並教会少年部員(7)、南多摩教会少年部員(7)が庭野会長夫妻に花束を贈呈した。
式典終了後、キム・シン氏による奉納演奏会が行われた。