ACRP 開発のためのアジア地域会議 各国の諸宗教評議会代表が参加 庭野会長が閉会式であいさつ

ACRP共同会長として会議に参加し、閉会式であいさつを述べた庭野会長

アジア宗教者平和会議(ACRP)主催により、各国の諸宗教評議会(IRC=国内委員会)の代表が集っての「IRC開発のためのアジア地域会議」が10月28、29の両日、ウェブ会議システムを使って行われた。ACRPから庭野日鑛共同会長(立正佼成会会長)、根本信博事務総長、神谷昌道シニアアドバイザー、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会から國富敬二理事(本会理事長)、篠原祥哲事務局長が参加。延べ約120人が視聴した。

WCRP/RfPが今年、創設50周年を迎えて開かれたこの会議は、地域の諸課題の解決に向けてIRCの一層の強化と連携を図ることが目的。「ガバナンス(運営・管理)」「財政的責務と資源の活用」「諸宗教間の人道支援と開発支援」「メディアとコミュニケーション」について協議された。

このうち、「財政的責務と資源の活用」の会合では國富理事が同日本委の取り組みを発表。活動資金の使途や事業内容に関する説明責任を果たすため、日本委では「民主的なプロセスによる決定」「意思決定の透明性」「定期的な報告書の発行」「対面でのコミュニケーション」「サポーター制度の確立」を重視していると説明した。活動資金は、加盟教団からの支援金と賛助会員からの寄付金で支えられており、理事会と評議員会における予算の執行と事業内容の審議をメディアに公開し、組織の透明性を確保していると語った。

会議では、國富理事がWCRP/RfP日本委の“開かれた組織運営”について紹介した(「Zoom」の画面)

また、組織の決定事項や活動内容は35年以上にわたって会報誌(月刊)を発行して報告し、加盟教団のスタッフが事務局員として運営に携わり、他団体とのパートナーシップも積極的に進めるなど、“開かれた組織運営”を紹介。今後も、加盟教団同士の連携、関係団体との協力に努め、相互理解のもとで財政を安定させて活動を継続していく意向を語った。

会議ではこのほか、新型コロナウイルス感染症対策への長期的な支援、人材育成、ウェブサイトやSNSといった情報通信技術(ICT)を活用した活動の推進などについて話し合われた。

閉会式では庭野会長があいさつし、同ウイルスの流行で、身体的には人との間に距離を取らざるを得なくなった一方、人とのつながりを求める意識は高まり、精神的な距離が近くなったように感じると表明。コロナ禍は、当たり前と思っていた以前の日常生活を見直し、簡素な生き方を見いだす機会にもなっていると述べた。

その上で、ACRPは対話に基づく行動を志向する運動体であり、一人ひとりが信仰者としての自覚に立ち、神仏の意志に沿って「お互いに拝み合い、支え合って生きることが大切」と強調し、さらなる協力を呼び掛けた。