「笑い」で職場環境の改善を 六花の会が今年2回目のオンライン仏教経営者塾

ビジネスユーモア研究家の川堀氏が講演。職場での「笑い」の効用についてユーモアを交えて紹介した

仏教精神を生かした経営を目指す立正佼成会会員有志のネットワーク「六花(りっか)の会」は10月24日、今年2回目となる「仏教経営者塾」をオンラインで開催した。全国の経営者、個人事業主の会員70人が参加。当日は、『職場のコミュニケーション――笑い(ダジャレ)で閉塞感(へいそくかん)を打ち破る!』をテーマに、日本経済新聞社元顧問でビジネスユーモア研究家の川堀泰史氏(千葉教会所属)が講演した。

川堀氏は、同新聞社に入社後、10年目に広告局の営業支援部署から営業部署へ異動。営業での経験不足を補うため、商談の際に笑いを織り交ぜた独自の営業スタイルを編み出し、取引先と良好な関係を築いて成績を伸ばした。

講演の中で川堀氏は、独自のスタイルを築いた体験を語り、「中でもダジャレは一瞬で笑いを生み、その場の閉塞感を打ち破ることができる」と笑いの効用を説明した。「笑い」は仏教で説く「無財の七施」(財がなくてもできる布施行)の「和顔施(わがんせ)」(相手に笑顔を施すこと)にも通じると強調。「商談力は“笑談力”。ユーモアは人の心を和ませ、相手に『また会いたい、話したい』という気持ちを起こさせ、コミュニケーションを深める力がある」と話した。

さらに、ドミノ・ピザ ジャパンが2013年に実施した「ダジャレと仕事に関する調査」の結果を紹介。ダジャレが言える会社では、職場環境に対する従業員の満足度が77%に上り、職場での笑いはやる気につながると69%が回答していることに触れ、笑いが職場環境の改善に役立つと述べた。

その上で、笑いのネタには自分の失敗談(自虐)を選ぶことを推奨。自らをネタにして笑うためには、自らの失敗を認め、その原因を見つめ、二度と繰り返さないための方法を考えて納得する必要があるとし、これは人が試練を乗り越えていくプロセスそのものと重なるため、成長を促すと力説した。