「困っている人に届いて」 豊橋教会が会員手作りのマスクを自治体に寄贈
立正佼成会豊橋教会は5月19日、会員による手作りマスク2640枚を愛知・豊橋市や蒲郡市、豊川市など包括地域である6市に各社会福祉協議会を通じて寄贈した。
マスク作りが始まったのは、マスク不足が続いていた3月下旬。S支部長(67)が教会役員の会議で、「困っている人のためにマスクを作り、お渡しできれば喜んでもらえるのではないか」と提案したのが発端だ。これに他の支部長たちが共感し、S支部長がリーダーとなって有志による活動がスタートした。
「困っている人に」という願いに賛同した縫製加工業を営む会員が生地を提供。ひもに使うゴムの調達も買って出た。提供された生地は複数の会員の手で裁断され、全10支部の支部長たちによってマスクの型紙と生地、ゴムひも、完成見本が協力する会員宅に届けられた。この取り組みはやがて、サンガ(教えの仲間)の間で「マスクプロジェクト」と呼ばれるようになった。
製作に携わった会員は約100人に上り、1カ月も経ずに約5000枚のマスクが完成。出来上がったマスクは、支部長たちがアイロンをかけた後、メッセージカードを添えて個別包装された。
サブリーダーのH支部長(67)は「会員さんから『仕事の合間に作りました』『夫も手伝ってくれたんです』といった喜びの声や製作のエピソードがたくさん寄せられました」と話す。ある80代の会員は、プロジェクトへの参加を「自らの挑戦」とし、これまで使ったことのないミシンを買い求め、マスク作りに取り組んだという。
S支部長は、「皆が誰かの役に立ちたいという思いを持ち、コロナ禍にできる菩薩行として取り組んでくださいました。お一人お一人の姿は仏性の現れであり、大きな功徳を頂いたと感謝しています」と語った。
なお、残りのマスクは、今後に備え、教会に備蓄される。