佼成学園「令和2年度創立記念式典」 映像をネット配信 庭野学園長が諭告
9月7日の創立66周年記念日を前に、学校法人佼成学園の「令和2年度創立記念式典」が5日、大聖堂(東京・杉並区)で行われた。佼成学園中学・高校の生徒1088人、佼成学園女子中学・高校の生徒673人は、新型コロナウイルスの感染防止のため教室でインターネット配信された式典の映像を視聴した。
式典の冒頭、創立者である庭野日敬名誉学園長の足跡と学園創立に込められた願いを紹介する映像が上映された。
次いで、現在大学生の男性(20)と女性(19)が「卒業生からのメッセージ」を発表。学園在学中に、男性は成長する喜びを味わい、学び続ける大切さを実感したと話し、女性は自分の可能性にふたをせず、どんなことにも挑戦することを体験したと伝え、それぞれに在校生を激励した。
この後、庭野日鑛学園長が諭告に立った。庭野学園長は、今年が戦後75年に当たることに触れ、自身が小学1年生の時に戦火を逃れて新潟・十日町市菅沼へ疎開した体験を述懐。戦時下の混乱や貧しい暮らしの中、十分に勉学ができる状況ではなかったと説明した。
その上で、「今、平和な中で勉学ができる皆さんはとても幸せ」と述べ、記憶力の良い時期にしっかりと勉学に励み、庭野名誉学園長の「当たり前のことを当たり前にできる人に」という願いに応え、世の中のためになる人間に成長してほしいと期待を寄せた。
さらに、中国六朝時代の詩人・陶淵明の「盛年(せいねん)重ねて来らず 一日(いちじつ)再び晨(あした)なり難し 時に及んで当(まさ)に勉励すべし 歳月は人を待たず」という詩を紹介。「年月はどんどん過ぎて少しも止まらないから、大切な今の時間に勉励しなさい」という大意を解説し、こうした先人の言葉を時々目にしながら、今、自分が勉学に集中できているかどうかを省みることが大事と述べた。
また、人間は学生時代だけでなく、生きていく限り常に勉励し、成長することが重要であるとし、「創立記念日を有意義にするためにも、これから大いに勉励して頂きたい」と励ました。