本会「モンゴル看護師育成支援プロジェクト」完了へ 留学生受け入れ、人材輩出
最後の留学生ナランゾルさん 佼成病院で実務
最後の留学生となったナランゾルさんが看護師を志したのは、自分を育ててくれた祖母が糖尿病になり、祖母をケアし、支えたいと思ったからだ。しかし、大学在学中に他界。「患者さんを私だと思って看護してほしい」との遺言を胸に勉学に一層励んだ。
その後、「立正佼成会 モンゴル看護師育成支援プロジェクト」に応募し合格。19歳で来日し、語学学校に1年半通って日本語能力試験N2を取得後、2017年に同専門学校に入学した。
2年次まで言葉の壁に悩んだ。周囲とうまくコミュニケーションが取れず、会話に二の足を踏み、教員から「思っていることを伝えないと看護師としてやっていけない」と諭された。これで奮起したナランゾルさんは、積極的に意思を伝える努力を重ねた。日本語能力が向上し、周囲との絆が深まった。
こうした経験や授業、病院実習を通して、目に見える患者の症状に対処するだけでなく、患者とコミュニケーションを取りながら不安を和らげ、温かく寄り添っていく看護の大切さを学んだ。
看護師国家試験の必修問題の成績は昨秋まで、合格ラインの半分ほどだった。冬休み明けに、心配した同専門学校の元教員がサポートを買って出て、その下でも猛勉強。本番で合格した時は同級生や多くの人と喜びを分かち合った。
「国家試験に受かったのは、支えてくださった先生方や同級生のおかげ」とナランゾルさん。今春から佼成病院に勤務している。帰国後は、「モンゴルらしい看護の発展を目指し、日本での経験を生かしていきたい」と目を輝かせた。