光祥次代会長 サウジアラビアを訪問 KAICIID理事会に出席

KAICIID理事 サルマン国王と面会 「類例なき出来事」(海外通信・バチカン支局)

サウジアラビアのリヤドで「アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター」(KAICIID)の理事会が2月19日に開かれ、翌20日、理事たちはサルマン国王と面会した。その様子は、欧州や中東のメディアでも大きく報道された。

ロンドンを拠点に中東のニュースを報じるオンライン紙「ミドル・イースト・アイ」は、サウジアラビア国営通信社の報道に触れ、同社がKAICIID理事たちとサルマン国王との会見を写真と共に伝える一方、米国ユダヤ人協会諸宗教対話部長のデビッド・ローゼン師を含むメンバーの名前を明かさなかったと指摘。「ユダヤ教の指導者がサウジアラビアの王宮に入るのは、国の歴史上に類例の無い出来事」と報じた。

また、イスラエル軍はアラビア語のツイッターで、「ユダヤ教の指導者を王宮に受け入れたサウジアラビアの努力を、“諸宗教間に寛容の橋を構築する努力”として歓迎した」と伝えた。

イスラエルのアリエ・デリ内相は今年1月、「イスラエル人が、ビジネスや宗教的な理由でサウジアラビアを訪問できるようになった」と公表していた。今回のローゼン師の同国王宮訪問は、イスラエルの建国以来、初めてのケースとなった。

さらに、今回、もう一つ画期的な出来事があった。それは、女性の宗教指導者で同理事の庭野光祥次代会長とヴィヌ・アラム博士(ヒンドゥー教指導者、シャンティ・アシュラム会長)が、リヤド王宮に招待されたことだ。女性の権利が厳しく制限される同国で、他宗教の女性指導者が、男性の諸宗教指導者と公式の場で国王に会見するのは異例の出来事。バチカンと世界のカトリック教会からのニュースを専門に伝えるネットサイト「イル・シスモグラフォ」が掲載した報道写真の中には、背筋を伸ばして着座する光祥次代会長の姿が写っている。同国での諸宗教対話の促進に向けた一場面となった、リヤドでのサルマン国王との面会だった。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)