庭野会長 館山教会を訪問 昨年、台風被害に見舞われた会員を激励
立正佼成会の庭野日鑛会長は2月18日、昨年9月9日に千葉市付近に上陸した台風15号(令和元年房総半島台風)などで被害を受けた千葉・館山市、南房総市、鋸南町(きょなんまち)を包括する館山教会を訪問した。会員127人が参集した。
房総半島は昨年、台風15号、19号、21号と三つの台風に見舞われた。暴風雨により屋根が飛ぶなど多くの家屋が損壊し、農業も大きな打撃を受けた。また、広範囲で停電が発生し、住民は厳しい生活を送った。台風15号によって同教会では、150軒以上の会員宅で、屋根や窓ガラスの破損、雨漏りといった被害が発生し、全壊、半壊となった家屋もある。
18日、教会では、男性会員(73)、男性会員(81)、少年部員(12)、女性会員(54)=主任=が、台風の被害のほか、入会のきっかけや信仰体験を発表した。
この中で、男性会員(73)はこれまで、自動車修理工場の仕事中の事故と交通事故に遭い、二度にわたって九死に一生を得た体験を紹介。また、昨年の台風の暴風雨で、自宅の屋根が吹き飛び、雨に濡(ぬ)れた屋内はカビが繁殖して住むことができなくなったが、間もなく住まいの手配がつき、生活を再建できたことを報告した。男性会員はこれまでの人生を振り返り、困難に見舞われながら、自分が生かされてきたと感じ、今後もその自覚を深め、より一層精進していくことを誓った。
少年部員は信仰5代目で、祖父母や母親が教えによって人や物事に感謝ができるようになり、人の役に立つことを心がけて「幸せな家族」になれたと会話する現在の様子を紹介。そうした話を聞くたび、自分も人の役に立ち、周りの人に喜んでもらえるようになりたいと語った。
この後、庭野会長が法話を述べ、「素晴らしい功徳の発表でした」と発表者をたたえた。「お互いに功徳を頂いたことを顧みて、これからの精進に結び付けていくことが一番大事」と激励した。
午後、庭野会長は、中央支部の会員14人が集まる館山市の女性会員(79)宅を訪れた。会員たちは、台風が上陸した当時の様子や被害状況、停電中の生活などに触れ、現在の心情を庭野会長に語った。
女性会員は、風で屋根の一部が飛び、窓ガラスが割れ、雨で床が水浸しになった被害を報告。一方、電気工事士の息子(51)が、高所に上れない年配の会員に代わり、屋根の修理やブルーシートでの覆いを買って出たことを紹介し、息子のサンガへの手助けがうれしかったと話した。
庭野会長は、時折うなずきながら、会員の話に耳を傾け、励ました。
支部長(61)は、「強い風や雨の日は、心配な思いでいる会員さんがたくさんいます。屋根をブルーシートで覆っている家もあります。各地で災害が相次ぎ、業者の手が足りず、しかも地域の大工さんが高齢で高い所に上れない、多くの瓦職人さんが廃業し、製造が追いつかないなどで家の修理は進まず、工事は順番待ちです。そんな不安を抱えている中、会長先生が来てくださり、ありがたい気持ちでいっぱいです」と語った。