大阪普門館で「全国教育者研究集会」 発達障害について学び深める

『心を耕す教育者をめざして』をテーマに「全国教育者研究集会」(立正佼成会習学部教育グループ主管)が2月18、19の両日、大阪普門館で開催され、西日本から保育士や教諭など教育関係者ら310人が参加した。

集会では、学習支援コーディネーターや、中学校の特別支援学級の担任を務める男性教諭による実践報告が行われた。男性教諭は、生徒との触れ合いに悩んでいる時、「『柔和忍辱(にゅうわにんにく)』の精神で、生徒に振り回されず、いつも穏やかな心で、温かい触れ合いをしてください」と、所属教会の教会長から声を掛けられたことを紹介。これを機に、暴言を吐く生徒を怒鳴らずに、相手が落ち着くまで見守ることを心掛け、関係が良好になった体験を発表した。

続いて、『大人の発達障害・発達凸凹~当事者からのメッセージ』をテーマに、NPO法人「DDAC(発達障害をもつ大人の会)」代表の広野ゆい氏が講演。自身が幼少の頃から時間を守れず、忘れ物が多く、31歳の時に注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断されたことに触れ、自らの体験を踏まえ、発達障害は「やれるのに、やらない」のではなく、「やりたくても、できない」という理解が必要と説明した。

また、子供の頃に周囲に理解されず、特性に合った支援を受けられないまま大人になってしまった当事者は、自尊心を保つことができず、うつ病や依存症などの二次障害を併発してしまう場合が多いと指摘。周囲の理解と幼少期からのケアの重要性を強調した。

この後、大谷津晴央専任講師が『教育進化論――いますぐ わたしに できること』をテーマに講演。「特別支援」「生徒指導」「人間関係」などの項目に関する5グループの分科会も行われ、教育現場での悩みや実践、体験事例を基に意見が交わされた。