東京中央、茨城両支教区で「六花の会」による仏教経営者塾 学びを経営の糧に

講話で、父親の会社について紹介した島田東京教区長

仏教精神を生かす経営を目指し、昨年12月に発足した「六花(りっか)の会」による「仏教経営者塾」が、各地で開催されている。10月27日、立正佼成会豊島教会で行われた東京中央支教区「六花の会」の同塾には、東京教区の経営者や個人事業主の会員ら63人が参加。会員3人が体験発表を行った。

この中で医療器具を洗浄・消毒する機器などの販売会社を経営する文京教会の男性会員(67)は、売り上げの半分を占めていた取引先企業からの契約解除、技術系社員の交通事故死など、さまざまな困難に遭遇した経営危機を披歴。庭野日鑛会長の「大変とは、大きく変わること」という言葉で一念発起し、これまでの人脈を生かして新たな契約を結び、社員との連携強化に努める中で、会社を立ち直らせた経験を発表した。その上で、「社員の物心両面の幸福を追求し、社会に貢献できる会社を目指していきたい」と誓願した。

講話に立った島田華代東京教区長は、父親が営む織物会社や、その後に興した倉庫業が経営悪化した際の体験を紹介し、「苦しみや悩みは自分の仏性を磨くためのはからいと受けとめた時に智慧(ちえ)が湧き、道が開けていく」と語った。この後、班別のディスカッション、パネル討議が行われた。

11月3日には、茨城支教区「六花の会」による同塾が開かれ、経営者や個人事業主の会員24人が参加した。同支教区は一昨年から仏教精神を経営に生かす研修を行っている。

茨城支教区での仏教経営塾

当日は、機械設計・製図の会社を経営する土浦教会の男性会員(52)が経営再建に取り組んだ体験を発表。庭野日敬開祖と京セラの稲盛和夫名誉会長の薫陶を受けて企業再生に数多く携わってきた福永正三氏(滋賀教会会員=昨年11月逝去)から、アドバイスを得て心を見つめ直し、実践した日々を述懐した。その上で、『庭野日敬 経営者心得帖』(「六花の会」編纂=へんさん=)の一節を引用。一つ一つの仕事に精いっぱい尽くすことが菩薩行であり、仏教精神を基に、自分や周囲の人を生かし切る経営を大切にしていると語った。

グループ討議、総括の後、懇談会が行われ、参加者は交流を深めた。