庭野平和財団 日本人の宗教団体に対する世論調査 20年で「神棚はない」「仏壇はない」家庭が増加

一方、宗教団体への信頼度では、「非常に信頼できる」「まあまあ信頼できる」の合計が、神道は42.2%から65.1%に、仏教は60.9%から71.3%に、キリスト教は29.7%から38.6%に上昇した。「新しい宗教団体」は同2.8%から4.1%と、大きな変化がなかった。

※グラフはクリックして拡大できます

さらに、宗教団体のイメージとして、「伝統行事・冠婚葬祭」「伝統文化」の項目で神道が仏教を初めて上回る結果となった。その理由として石井教授は、伊勢神宮などの式年遷宮がメディアで取り上げられたことや、パワースポットブーム、御朱印ブームなどが考えられると説明した。

宗教団体の社会的な役割については、「地域社会の交流や安定に貢献している」が21.5%から33.6%に、「災害時の救援やボランティア活動など社会的に貢献している」が10.7%から19.1%へと増加した。

※クリックして拡大

石井教授は、宗教団体への評価やイメージが良くなる一方で、人々が宗教に触れる機会はメディアや漫画、アニメを介した限定的なものになる傾向が進んでいるとし、「本来の深い宗教文化が希薄化していることに危惧を覚える」と語った。