第七百三十七回波木井山川施餓鬼法要 庭野会長の法話を中村常務理事が代読
「第七百三十七回波木井山川施餓鬼法要」が8月19日、山梨・身延町にある波木井山円実寺で行われた。立正佼成会から庭野日鑛会長の名代として中村憲一郎常務理事が午前、午後の部の法要に参列。教団役職者をはじめ60教会から1200人が参加した。
本堂で営まれた法要は、午前の部(32教会から600人が参加)と、午後の部(28教会から600人が参加)の2回行われた。それぞれの法要では、読経、同寺の僧侶と参列者代表による焼香、修法などが行われた後、住職の長谷川喜章師があいさつ。長谷川師は、昨年11月に遷化した同寺の第三十五世住職・岩田日見師の後を継いで法燈を継承したことを報告し、「日見上人に倣い、波木井山円実寺の発展に努めさせて頂きます」と決意を語った。
あいさつに立った中村常務理事は、庭野会長の法話を代読。この中で、同寺の再興に尽くした岩田日見師の功績をたたえ、遺徳を偲(しの)んだ。また、「令和」への改元後、初となる川施餓鬼法要であることに言及。「法要が始まった経緯を見つめ直し、一人ひとりが布施行の大切さをかみしめ、菩薩としての自覚を新たにすることが大切です」と述べた。
さらに、自己中心的なものの見方は不平不満や愚痴につながり、争いの原因にもなると指摘。「私たちは、大自然の恵みの中で生かされ、生きています。このことを心に留め、何事にも感謝できる人間にならせて頂きましょう」と結んだ。
円実寺と立正佼成会の交流
円実寺は、鎌倉時代に波木井城の城主・波木井公(南部六郎実長公)が日蓮聖人に寄進した寺として知られる。また川施餓鬼法要は、近隣を流れる富士川の氾濫で多くの犠牲者が出た際、波木井公が日蓮聖人に請願し、法要を営んだことに由来する。本会と円実寺との縁は、昭和21年、庭野日敬開祖と長沼妙佼脇祖が七面山参拝の帰路、同寺を参拝したことに始まる。当時の本堂は大変古く、傷んでいたことから、庭野開祖、長沼脇祖が「日蓮聖人の大恩人の波木井公のお寺をこのままにしておけない。私共も応援させて頂きます」と進言。本会会員と檀家(だんか)信徒から浄財の支援も寄せられ、本堂が再建された。以来、本会と同寺は親交を深め、庭野開祖も毎年、同寺の川施餓鬼法要に参列するようになった。