WCRP/RfP日本委「第28回理事会」 日本の願いを世界へ 世界大会の宣言文に対する三つのメッセージ案を審議

受け入れ教団を代表してあいさつする鬼生田俊英曹洞宗宗務総長。理事会では、今年8月の世界大会に向け議論が交わされた

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の「第28回理事会」が5月27日、東京・港区の東京グランドホテルで開催された。植松誠理事長(日本聖公会首座主教)をはじめ理事20人が出席。立正佼成会から同日本委理事の庭野光祥次代会長、川端健之理事長、中村憲一郎常務理事が参加した。

今年8月20日から23日まで、ドイツ・リンダウで第10回WCRP/RfP世界大会が行われる。これを踏まえ、同日本委ではこの日の理事会に先立ち、世界大会で打ち出される宣言文に盛り込みたい内容を検討。各特別事業部門(タスクフォース)や常設機関での議論などを基に、15の提言骨子を立案した。さらに、これを集約し、宣言文に対する同日本委の提言として、次の三つのメッセージ案を作成した。

一つは、世界で生じる紛争や対立をわがことと捉え、和解を導くための宗教者の役割を示す「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(宮沢賢治の言葉を引用)。二つ目は、核兵器廃絶や軍縮を促進させるための「危険をおかしてまで武装するよりも、むしろ平和のために危険をおかすべき」(庭野日敬開祖が第1回国連軍縮特別総会で行ったスピーチ)。三つ目は、地球環境の保護を訴える「もったいない」の文言だ。

当日の理事会では、「日本委員会人事」「平成30年度事業報告」「平成30年度決算報告」に続き、三つのメッセージ案を含む第10回WCRP/RfP世界大会に関する審議が行われた。

この中で、世界大会のメーンテーマの和訳が『慈しみの実践:共通の未来のために――つながりあういのち』に修正されたことや、同日本委からの参加者が約20人になることを確認。三つのメッセージ案については、この日の議論を踏まえた上で植松理事長によって最終決定され、世界大会の宣言文起草委員会に提出されることになった。

理事会ではこのほか、各タスクフォースと常設機関からの報告として、核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本と作成した「核兵器廃絶に向けた共同提言文」の取り組み、シリア難民の留学生受け入れ事業、東日本大震災や西日本豪雨災害への支援活動などが説明された。

第10回WCRP/RfP世界大会

ドイツ政府の支援を受け、『慈しみの実践:共通の未来のために――つながりあういのち』をメーンテーマに、今年8月20日から23日まで同国南部のリンダウで開催される。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の各国委員会の代表、国連などの国際機関の関係者や政府代表ら約900人が参加予定。日本の代表団として、本会からWCRP/RfP国際名誉会長の庭野日鑛会長、同国際共同議長の庭野光祥次代会長、同国際トラスティーの川端健之理事長が出席する。大会期間中には、積極的平和の推進、戦争や紛争の予防、持続可能な人間の開発、気候変動における宗教や宗教者の果たす役割と行動について話し合われる。また、大会の前日には、女性と青年による会議を実施。大会の最後には、宣言文が作成される。