スリランカ連続爆破テロ 事件に対し世界の宗教指導者が声明(海外通信・バチカン支局)

キリスト教徒との友愛を主張し、イスラーム過激派による、あらゆる暴力行為を糾弾し続けるイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長は、「祈る、無実の人々を標的とする攻撃は、想像することさえできない。テロ実行犯のゆがんだ精神は、あらゆる宗教の教えに反する」と非難した。イタリアの仏教協会(UBI)は、「古い仏教伝統を有する国におけるテロは、憂慮の的であり、仏道修行を重ねるイタリア人仏教徒にとって大きな苦である」とする声明文を公表。「一日も早く通常の状況が回復されるように」と祈念した。

東方正教会のバルトロメオ一世・コンスタンティノープル(現=トルコ・イスタンブール)総主教は、「その動機にかかわらず、いかなるテロ、憎悪、暴力、原理主義を確固として非難」するとし、「平和共存と対話、相互尊重を通しての協力」を訴えた。ロシア正教のキリル総主教は、スリランカのシリセナ大統領に宛て、「テロ攻撃の報にショックを受けた」「政府と関係諸機関が、このような流血犯罪の実行犯のみならず、計画した首謀者たちの責任を逃すことなく追及していくように」とのメッセージを送付した。

また、世界ユダヤ人会議のロナルド・ラウダー会長は、「テロとの闘いが国際問題の最優先課題とされ、やむことなく遂行されていくように」とアピール。アジア司教協議会連盟(FABC)の会長を務めるチャールス・ボー枢機卿(ミャンマー)はコロンボ大司教に宛て「恐怖と疑惑の状況を克服していくために、復活されたキリストが、全ての善意の人々を強めてくださいますように」と祈るメッセージを送付し、米国のカトリック司教会議も「われわれは、全ての善意の人々と共に、このテロ行為を非難する。悪が、復活されたキリストへの希望を克服することはない」とする声明文を公表した。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)