スリランカ連続爆破テロ 事件に対し世界の宗教指導者が声明(海外通信・バチカン支局)

4月21日、スリランカの最大都市コロンボやその郊外のキリスト教教会、ホテルなどの6カ所で連続爆破テロが発生し、350人以上が犠牲になった。標的となったキリスト教の教会では、キリストの復活を祝う「復活祭」の行事が執り行われていた。

世界教会協議会(WCC)は同日、「このような暴力行為は、生命の聖なる性格を危機に陥れる冒とく行為である」とテロを非難する声明文を公表した。この中で、WCCのオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事は、「復活祭の日に、強いショックと悲しみ」を受けたとの心情を明かし、「このような形で教会を標的とすることは、諸宗教間の平和と調和、そして、宗教的調和と多様性の原則を標榜(ひょうぼう)するために闘ってきた社会、文化の絆への攻撃」と述べている。ローマに本部を置き、国際支援を行う聖エジディオ共同体(カトリック在家運動体、本部・ローマ)も同日、「恐怖をまき散らし、共生の絆を破壊することが目的の暴力」として今回のテロ攻撃を糾弾する声明文を発表した。

イタリアのマッタレッラ大統領は同日、スリランカのシリセナ大統領に宛て、「憤慨と深い悲しみを持って、残忍な攻撃の報を受けた」とするメッセージを送付。イタリア大統領は、「この劇的な時に、イタリア国民を代表し、この卑劣で無分別な行為に対する非難」をスリランカ国民に伝達したのだ。

バチカン広場で、世界各地から参集した約7万人の信徒たちの前で復活祭ミサを司式したローマ教皇フランシスコは、ミサ後にサンピエトロ大聖堂の中央バルコニーから世界に向けたメッセージの中で、「祈っているところを攻撃された(スリランカの)キリスト教共同体」に関するニュースを、「悲しみと苦を持って受け取った」と発言。22日には、バチカン広場での正午の祈りの席上、この事件に触れ、暴力は正当化されるものではなく、「この非人間的な行為を糾弾するように願う」と訴えた。