WCRP/RfP日本委 『フクシマコミュニティづくりから見えてきた復興の展望』テーマに新春学習会

パネルディスカッションでは福島県で復興支援に携わってきた4人がそれぞれの活動について発表した

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の「2019新春学習会」が1月29日午後、立正佼成会の法輪閣(東京・杉並区)で催された。テーマは『フクシマコミュニティづくりから見えてきた復興の展望』。加盟教団の会員ら130人が参加した。

東日本大震災の発生から8年を迎える福島県では今も、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、4万人以上が県内外での避難生活を余儀なくされている。この間、同日本委は2014年10月に、震災の復興支援として「フクシマコミュニティづくり支援プロジェクト」を開始。1件20万円を上限に活動資金を助成し、今年度まで17期にわたり延べ250団体に計約4800万円を支援してきた。

今回の学習会は、同プロジェクトの活動を振り返るとともに、困難な状況が続く同県の現状や課題、被災地域の将来について考えることが目的。当日は、福島市医療生協わたり病院の齋藤紀医師と、一般財団法人「ふくしま百年基金」の山﨑庸貴代表理事が基調講演に立った。

被災者のニーズに対応

福島市医療生協わたり病院の齋藤医師

齋藤氏は、全国各地への避難者数や震災関連死者数の推移、失職状況といった福島県の現状に触れ、原発事故は「失うものの多い事故だった」と真情を吐露。また、震災前は多世代で同居していた家族の約半数が、震災後は2カ所以上に分かれて避難生活していると指摘し、「家族の離散が恒常的で、回復が不能な状態にある」と述べた。

さらに、自らも選考に携わった同日本委の「フクシマコミュニティづくり支援プロジェクト」の助成について説明した。当初はNPO法人やボランティア団体の応募が多数を占めていたが、一昨年から自治会の応募が増加し、県内の復興公営住宅の自治会のうち、42.3%が同プロジェクトに採用されたと紹介。「被災者の気持ちを支え、被災者目線の多彩な支援ができた」と語った。

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