「御親教」式典 『燈明』『知足』を胸に、各人が仏道精進を誓う

登壇した庭野会長は、書き初めに込めた思いを述べた

この後、「御親教」に立った庭野会長は冒頭、二幅の書き初めに言及。『知足』は「足るを知る」の意味であり、慈雲尊者の「足ることを知る者は常に富み、いからざる者は寿也(いのちながし)」という言葉を引用し、「足るを知ること、怒らないことは仏教で最も大切なこと」と説いた。『燈明』については、仏教徒が大事にしている「自灯明・法灯明」のことと話した。

また、庭野会長は、道元禅師が自らのことを「自己」、自分以外のもの全てを「他己(たこ)」と表現していたことを紹介。「他己」とは、「他としての己(おのれ)であり、自も他も一つになっていること」であるとし、さらに、自己と他己を合わせて「大己(だいこ)」と表した道元禅師は、「自分も他の人も、あるいはそれ以外のものも、全てが一つになって『己のことなのだ』と大きく捉えておられた」と説明した。

その上で、一人ひとりが「大己」を意識しながら、「世界が調和し、平和になっていくよう、お互いに精進させて頂くことが、宗教の世界だけではなく、人間全てにとって大事なことです」と述べた。