光祥次代会長のスピーチ(全文) 「第5回ムスリム社会における平和推進フォーラム」から
私の祖父は、立正佼成会の組織の計画を立てる会議でいつもこう言いました。「自分たちだけが発展するような計画を立ててはいけない。他の教団、他の宗教が共に発展する計画を立てなさい」と。
この精神に基づき、私たち立正佼成会では、会員が月に何度か食事を抜いて献金し、パレスチナ、シリア、南スーダン、マラウイ、ミャンマー、カンボジアなどの紛争地でさまざまな支援プロジェクトを行っています。また、宗教協力の理念の輪を広げるために、宗教協力を通じて世界平和の推進に顕著な功績をあげた人または団体を対象に庭野平和賞を贈呈して、今年で35年になります。今年の受賞者はレバノンのアディアン財団でした。
これらの活動は、仏教徒の支援でも、仏教徒の市民権のためでもなく、助けを必要とするすべての人々のためのものです。もちろん私自身も微力ではありますが、ムスリム社会における平和が促進されるよう、精いっぱいお手伝いしたいと思っています。
社会、人類と、対象が大きくなればなるほど、救いの実現、平和の実現には時間がかかります。今日これをすれば、明日にはこんな効果が出る、ということのない、気の遠くなる仕事です。だからこそ神の永遠を信じる宗教者こそが取り組み、影響を及ぼしていけるのだと信じています。
最後に、私が大切にしている祖父の言葉で終わりたいと思います。
「救おうとすれば救えるものを、私たちは不可能としてあきらめる場合がありはしないかを反省したいと思う。すべての宗教者が、すべての姉妹、すべての兄弟を救うために、そして世界平和のために、力を合わせて立ち上がることに目覚めなくてはならない。神よ、仏よ、私たちに勇気と、智慧(ちえ)と、調和の心をお与えください」
ご清聴ありがとうございました。
※カッコ内は編集部
アブダビで第5回ムスリム社会における平和推進フォーラム 光祥次代会長がスピーチ 「世界の苦しみを“自分ごと”とし」