宮城県復興支援事業 住民が主体となって継続的に活動する団体に支援

こうした中、気仙沼復興まちづくりの会が中心となり、地域の課題や解決に向けた取り組みなどの情報の発信、地域活性化のイベントやワークショップ、アンケート調査を行ってきた。これらを通して、住民から意見を収集し、防潮堤に関する意見書、復興公営住宅やコミュニティーセンター建設の要望書などを市に提出してきた。

今年はこれまで、地区外の住民も巻き込んで地域の活性化を目指す「みちくさプロジェクト」を7回開催した。病院、市役所、学校など公共施設が集中する八日町地区は人の往来が多く、映画上映やメイク講座、路上ライブなどを盛り込んだイベントを開催して住民同士の交流を促した。

地域の高齢化が進む中で、イベントにはまちづくりの担い手不足の問題を解消するという願いも込められている。計画段階から誰でも参加することができるようにし、実際、地区外の若者が携わっている。

メイク講座をきっかけに関わるようになった、隣接する三日町地区の柴田葵さん(18)は、「同じ気仙沼市民として、気軽にまちを盛り上げる企画に参加できる場があることをうれしく思っています。ここで新しい仲間に出会えたので、今後も積極的に取り組んでいきたい」と話す。

二匹のサンマが「八」の字を形作っている看板が八日町の目印

同会の代表で、八日町商店街で呉服店を営む島田英樹さんは、「今思えば、震災前は住民が気兼ねなく一つに集まれる場もなく、地区としてまとまりがある地域とは言えない状況でした。私たちが働き掛けることによって、地区としての意見を行政に提出できるようになり、地域の活性化にもつながっています。今後も内外の人と縁を結びながら、まちづくりに努めたい」と意気込みを語った。