ローマ教皇 来年にUAE訪問 (海外通信・バチカン支局)
UAEのカトリック教会は、フィリピンやインドなどからの約100万人の移民労働者で信徒が構成されており、100人近くの司祭や修道女たちが滞在している。バチカンはすでに、教皇フランシスコが来年3月30、31の両日、モロッコの国王ムハンマド六世からの招待を受け、同国・ラバトとカサブランカを訪問することを公表している。ムハンマド六世は、世界のイスラーム圏で、また諸宗教指導者たちからも、「対話を奨励する国王」として知られており、教皇の同国訪問も「諸宗教間対話を通じた世界平和の追求」が中心命題になると推測されている。
イスラームを国教とするモロッコにおいて、信徒が約3万人のカトリック教会は少数派になる。昨年4月にアズハルで開催された「平和のための国際会議」(立正佼成会からは川端健之理事長が参加)に出席した教皇フランシスコは、「聖を語って行われる暴力の仮面を剥がす」ため、キリスト教とイスラームの協調を訴えた。
13世紀、キリスト教とイスラームが聖都エルサレムの争奪戦を繰り返す中、アッシジの聖フランシスコは、スルターン(イスラーム王朝の君主の称号)のアル・カーミルを訪ね、和平交渉を試みた。米国のオバマ前大統領は2009年、アズハルから「イスラームとの新しい始まり」を呼び掛けた。教皇フランシスコも同様、「諸宗教対話を通して世界平和に貢献する、イスラームとの新しい関係」を追求している。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)
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