「信教の自由とビジネス財団」(RFBF)会長のブライアン・グリム博士が本会を訪問 光祥次代会長と懇談

16日の懇談では、グリム博士が歓迎に謝意を表明し、同賞の趣旨と来日の目的、宗教の多様性と信教の自由が全世界で保障されるよう取り組んでいることを紹介した。この中で、一般的に宗教と経済は関係がほとんどないように考えられているが、実は宗教の多様性が保たれることで経済は成長し、国家の発展につながることを各国の首脳、さらに企業に伝えていると話した。

ブライアン・グリム博士

また、自身の米国社会における宗教の経済的価値の研究に触れ、信仰に基づいて行われる同国の宗教活動を市場の経済的価値に換算すると、推計で年間約1兆2000億ドル規模に相当するとして、「祈りやセレモニーのために集まるだけでなく、コミュニティーをつくって人がつながる場所が築かれていることに大きな意味がある」と強調。アルコールやドラッグなどの依存症者を支援する組織の75%は宗教系であることや、祭りやイベントを通じた社会的つながりの促進を例に挙げた。

光祥次代会長は、今年5月に上智大学で開催した「アフリカの新たなビジョン 東京国際会議」(共催・本会、同大学、聖エジディオ共同体)の準備で経団連を訪れたことを紹介。さらに、「(依存症や個人の悩みなどに対する)そうした支援は理解していたものの、信仰的な視点でしか見ていませんでした。経済的側面から宗教や信仰を考えることもできるのですね」と話した。

この後、グリム博士が、企業経営者が宗教心を持ち、信仰的な内省を深めることで、経営が向上し職場環境が良くなることを示唆。これに対し光祥次代会長は、「私たちも仏教や佼成会の教えを経営に生かす取り組みを進めています。たくさん成果が生まれています」と語り、今年12月に本部で「仏教精神に学ぶ経営者の集い」が行われることを紹介した。