「開祖さま入寂会」 生かされている有り難さを感じ、共に精進を誓願
立正佼成会を創立した庭野日敬開祖は平成11年10月4日、92歳で入寂(にゅうじゃく)した。それから19年が経った10月4日、「開祖さま入寂会」が東京・杉並区の大聖堂はじめ全国各教会で行われた。大聖堂には会員約3300人が参集。法華経の一仏乗に徹した庭野開祖の遺徳を偲(しの)び、それぞれが精進への誓いを新たにした。
式典に先立ち、庭野開祖の「お舎利」が奉安される一乗宝塔で「開扉(かいひ)の儀」が行われた。多くの会員が見守る中、庭野日鑛会長により扉が開かれた。
大聖堂での式典は、庭野開祖によって創立された佼成学園女子中学・高校吹奏楽部の序奏により開幕した。
この後、「開祖さまとの対話」の時間が設けられた。サヌカイトの神秘的な音色が場内に響きわたる中、参集者は自らを振り返り、修行精進への誓いを新たにした。
次いで読経供養が行われ、導師をつとめた庭野光祥次代会長が庭野会長名の「報恩讃歎文」を奏上した。この中で、昭和13年に長沼妙佼脇祖と本会を創立した庭野開祖の生涯に触れ、「第二次世界大戦(戦中・戦後)の混迷の時代の中、内外(ないがい)に起(おこ)る様々な問題と向き合いながら、そのすべては仏さまからの頂戴物(いただきもの)であり、信仰を深める機縁であるとして、柔和質直の心で受けとめられました。さらには、日本の上代(じょうだい)から国の礎となる『和』の精神を貴ばれ、世界の平和・調和を願われました。そして、その生涯を通して、法華経の教えである『一仏乗』を体現され、ひたすら歩み続けられました」とその遺徳を偲んだ。
さらに、釈尊の「法を見るものは我を見る。我を見るものは法を見る」という説法を引用しながら、会員それぞれが法華経に説かれた菩薩行にまい進し、一人ひとりを大切にするところに、庭野開祖の精神が生き続けると明示。世界各地で環境問題や紛争が起きている現状に触れ、このような「とき」だからこそ、庭野開祖が願った「皆が共に救われて生きる世界、万人が生かされていく『一乗』の世界を目指し菩薩道にまい進してまいります」と誓願した。