大規模地震に備え 大聖堂で「災害対策本部」設置訓練
首都圏での大規模地震の発生時を想定した「災害対策本部」の設置訓練が3月13日、東京・杉並区にある立正佼成会の大聖堂食堂ホールで行われた。教団本部の災害対策を担当する防災会議事務局(総務グループ)主導の訓練で、職員約80人が参加した。
当日、参加者は、東日本大震災発生時の映像を通して、備えの大切さを学習。その後、「平日の午後1時半に首都直下型地震が発生、約1時間半後に災害対策本部が大聖堂内に設置された」との想定で、災害時の情報処理に関する具体的な訓練に移った。
訓練では、10の「情報班」に分かれた参加者が、法輪閣や第二団参会館といった建物の被害、さらには負傷者への対応など、時間の経過とともに「現場からの声」として付与される情報(状況付与)をホワイトボードにそれぞれ書き込む。班内で協議した上で「情報報告書」を作成し、その報告書を基に「統括班」に被災状況を説明、対応策を確認する。「指示伝達書」に対応策を記入した後、「部署調整班」に指示書を届け、実際の措置や対応が実行されるという内容だ。
「情報不足により避難者がパニック状態に陥りそうだ」「近隣住民から救助を求められている」などの状況が各班に伝えられ、参加者は班内で話し合いながら、緊急時に求められる正確な情報収集と分析などに努めた。
災害対策本部設置時に事務局長となる前田貴史総務部次長(総務グループ)は、「大量の情報をいかに分析し、整理して的確に伝えられるかが災害時対応の要。災害時に冷静に対応できるよう訓練での体験を集積しています」と話した。
巨大地震などの自然災害に備え、教団本部では2013年に「本部災害対策基本計画」を策定。各部署に防災リーダーを配置し、職員の防災意識の啓発を図るなど災害時への対応を整えてきた。14年から、免震化された大聖堂内に災害対策本部を設置し、災害対応にあたる訓練を行っている。
また本部周辺は、東京都から大規模延焼火災が発生した際の「広域避難場所」に指定されているほか、災害時の帰宅困難者に対する受け入れが、杉並区との間で取り決められている。