佼成学園高3年の井川さん アブラムシの生態研究が高く評価され、科学コンテスト「ISEF」の日本代表に

ISEFの日本代表に選ばれた井川さん。将来の夢は、世界的な研究者になることだという

佼成学園高校3年の井川恭平さん(18)はこのほど、アブラムシの生態や遺伝子に関する研究論文が高く評価され、高校生を対象にした世界最大規模の科学コンテスト「インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)」の日本代表に選ばれた。同校の生徒が選出されたのは今回が初めて。井川さんは5月に渡米し、ペンシルベニア州ピッツバーグで開かれる同コンテストで、『アブラムシの種分化と寄主植物』と題する研究発表を行う。

ISEFは、75以上の国と地域から選ばれた約1700人の高校生が研究の成果を披露するコンテストで、「科学のオリンピック」と呼ばれている。

同校のサイエンス部に所属する井川さんは高校に入学して以来、顧問の上野裕之教諭のもと、植物に寄生するアブラムシの生態を研究してきた。きっかけは、高校1年の時、同校のビオトープ(人工池)に生育するガマの葉にアブラムシが集まっているのに対し、隣に生えるキショウブには集まっていないことに疑問を持ったことだった。そこで、アブラムシに葉を選択させる行動実験を行い、アブラムシが特定の葉に集まるのは、葉に含まれる成分に要因があることを突き止めた。このことで、これまで研究にあまり関心のなかった井川さんの探究心に火が付いた。

やがて、ガマの葉に集まるアブラムシと外見がよく似たアブラムシが、ショウブの葉にも集まっていることを発見。ガマに集まる個体はガマしか餌にすることができないが、ショウブに集まる個体はガマとショウブの両方を餌にできることを明らかにした。この2種類のアブラムシについて図鑑で調べると、それぞれ「ガマノハアブラムシ」「ショウブアブラムシ」という別種であることが分かった。

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