憲法が変わるとどうなるか 本会職員を対象に憲法学習会

立正佼成会の職員を対象とした憲法学習会が2月2日、法輪閣(東京・杉並区)で行われた。「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)で活動する種田和敏弁護士が講師を務めた。

同学習会は、「憲法改正」を巡る議論の高まりを受けて行われたもの。今後、衆参各議員の本会議で総議員の3分の2以上の賛成を得て国会で「改憲案」が発議された際、国民投票が実施されることから、憲法の意義や現在報道されている「改憲案」のポイントについて学び、各人が主権者として主体的に考えることを目的としている。当日は、『憲法が変わるとどうなるのか』と題し、職員から寄せられた憲法に関する質問に、種田弁護士が回答した。

「第三者に勝手にスマートフォンの中身をのぞかれるのは人権侵害?」との質問に対し、種田氏は、日本国憲法13条に定められた「幸福追求権」に基づく「プライバシー権」と、同21条の「表現の自由」を根拠に、権利の侵害にあたると解説。国家による盗聴が日常的に行われている国がある一方、日本でも警察などの捜査機関が個人のスマートフォンなどの端末にある情報を取得する場合があるが、これには裁判所の令状が必要で、「適正な手続きを経ない限り不可能」と語り、憲法が国民の権利を守っている一例として紹介した。

続いて、日本に徴兵制が復活する可能性を問われた種田氏は、徴兵は同18条で禁じた「苦役」にあたると述べた。一方、「改正」によって同条に「苦役を除く」と付言されるだけで、徴兵制を可能にする法解釈の余地を与えると指摘。「憲法改正」の内容によっては、国民の自由や権利が侵され、その生活が大きく変化する危険性があると強調した。

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