生殖補助医療の倫理的課題 日宗連が「第8回宗教と生命倫理シンポジウム」

日宗連の猪子評議員

この後、猪子恒日宗連評議員(大本東京宣教センター長)をインタビュアーに、柘植教授との対談が行われた。

席上、柘植教授は、研究調査の中で出会った、出生前検査を受けた女性たちの心情を紹介した。ある女性は、検査で異常が見られず、そのまま出産したものの、いずれわが子から「検査で異常が見つかったら、お母さんは私を産んでくれなかったの?」と問い掛けられる不安が生じて悩むようになったと報告。「医療は人を治すことを優先するが、医療の進歩によって、新たな苦悩や葛藤が生じている」と話した。

また、「出生前診断というのは、いのちの選択ではないのか。そうした中で、宗教の果たす役割とは何か」との会場からの質問に回答。米国では日本よりも出生前診断の受診率が高いが、胎児に異常の可能性があるとされても人工妊娠中絶を選択しない妊婦の割合が多いと明示。その決断には自らの信仰が大きく関わっているとし、日本でも、「いのちの選択」が迫られるような医療に対して、宗教に基づいて、あらゆるいのちを大切にする価値観が示され、国民に広く認識されていくことが重要と述べた。