本会の「こころホット」ボランティア お茶っこサロンの活動終了

仮設住宅の住民を訪ね、声を掛けるボランティアの会員

東日本大震災で被災し、仮設住宅で暮らす人々を対象にした立正佼成会の「こころホット」ボランティア(お茶っこサロン)が11月12日、岩手・釜石市の市民体育館前仮設住宅で実施され、これをもって活動を終了した。同ボランティアは、釜石市社会福祉協議会が運営する「お茶っこサロン」への協力を通じ、被災者に安らぎと希望を感じてもらえるような触れ合いを目指し、大震災から一年後の平成24年4月に始動。これまで593回行われ、延べ5400人以上の被災者がサロンに訪れた。

震災により、釜石市では甚大な数の家屋が津波による被害を受けた。被災者の仮設住宅への入居が進む中で、震災前の地域のつながりが途絶え、一人暮らしの高齢者が孤立するなどの問題が深刻化した。「お茶っこサロン」は、仮設住宅の入居者同士の絆を深めることが期待され、始まった。

全国の会員が参加して行われる「こころホット」ボランティアによるサロン活動は、毎回、「お茶っこ」への誘いを兼ねた各戸への「見守り訪問」から始まり、明るいあいさつや体調を気遣う声掛けなど、入居者との触れ合いに重点が置かれた。

ボランティアに携わった会員は、談話室を訪れた入居者を温かくもてなして、被災体験や将来への不安などに耳を傾けたほか、手芸などを通して交流。来訪者同士も親睦を深めた。

活動がスタートした平成24年は約2800人、翌年は約1300人が、同サロンに足を運んだ。その後、自力再建や復興公営住宅への転居で仮設住宅からの退去が進み、これに伴って、「お茶っこサロン」への来訪者は減り、震災から6年が経過した今年、ピーク時の5%未満になった。現在、行政による仮設住宅の集約がさらに実施されており、地元の取り組みなども踏まえ、教団本部ではこのほど、同サロンの活動終了を決めた。

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