京都の妙法院門跡で杉谷門主の晋山式 庭野会長が出席

宸殿で営まれた晋山式 

京都市にある妙法院門跡で10月31日、杉谷義純第五十二世門主の就任を披露する晋山式が行われ、立正佼成会から庭野日鑛会長が参列した。妙法院は、天台宗(総本山・比叡山延暦寺)の京都五ケ室門跡の一つとして知られる。

杉谷門主は1942年、東京都に生まれた。慶應義塾大学法学部を卒業し、大正大学大学院文学研究科博士課程を修了。天台宗宗議会議長、同宗務総長などを歴任した。2013年には、天台座主への登竜門とされ、法華経を5日間にわたって説く戸津説法の説法師を務めた。

また、諸宗教対話・協力にも尽くし、1987年に開催された比叡山宗教サミット(日本宗教代表者会議主催)の事務局長を務め、現在は世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会理事長の要職にある。

今回、菅原信海前門主の退任に伴い、9月2日付で、新しい門主に就任した。

「相承譜」に揮毫する杉谷門主(妙法院門跡提供)

晋山式は、宸殿(しんでん)で営まれた。天台宗の僧侶をはじめ、諸宗教の代表や識者ら500人が見守る中、袍裳七條(ほうもしちじょう)の法衣をまとった杉谷門主は、歴代門主の名前が記された「相承譜」に揮毫(きごう)し、表白では、妙法院の歩みを振り返り、自らの誓願を奏上。法楽、真言の儀式の後、森川宏映第二百五十七世天台座主が「お言葉」に立ち、杉谷門主に対して、任期を全うするとともに、「現在の体力を維持し、強い信念を持ち、次の名誉ある地位に就かれ、天台宗のみならず、今日の宗教界を導いて頂きたい」と期待を寄せた。

午後からは、同市内のホテルで祝賀会が行われ、席上、庭野会長、明石康・元国連事務次長、ウィリアム・ベンドレイWCRP/RfP国際委員会事務総長、天台宗の尼僧で作家の瀬戸内寂聴氏らが祝辞に立った。

この中で、庭野会長は冒頭、杉谷門主の就任に祝意を表した。その人柄にも触れ、「豊かな見識と優れた判断力」によって、WCRP/RfP日本委の運営や国際委の活動をけん引してきたことを紹介。妙法院の仏堂である蓮華王院(三十三間堂)の千手観音像に触れながら、現在、世界各地で、諸宗教者が人心の救済、社会・世界の平安を願い、力を尽くしているとし、「それは、まさに観音さまの働きであり、その先頭に立って活躍されているお一人が、他ならぬ杉谷先生であります」と、これまでの功績をたたえた。その上で、天台宗で重職を果たす杉谷門主に、「今後も、日本の平和、世界の平和に向け、ご尽力くださることを念願します」と述べた。

京都市内のホテルで行われた祝賀会の席上、祝辞を述べる庭野会長