ソウルで第20回日中韓仏教友好交流会議 三国の「黄金の絆」をさらに

日本、中国、韓国の仏教者が一堂に会し、交流を通して相互理解を深める「第20回日中韓仏教友好交流会議 韓国大会」(主管・韓国佛教宗団協議会)が9月6、7の両日、韓国・ソウルで開催された。

3カ国の僧侶や信徒ら約300人が参加。立正佼成会から日中韓国際仏教交流協議会常任理事の澤田晃成総務部部長、韓国立正佼成会の李幸子教会長はじめ23人が出席した。

今大会のテーマは『日中韓三国仏教友好交流の持続可能な交流発展』。6日に行われた「交流委員会議」では、来年の第21回大会の予備会議が同年4月25日、本会神戸教会で開催されることが決定した。

翌7日午前、奉恩寺で「三国世界平和祈願法要」が営まれ、各国の代表者が世界平和と人類の安寧を祈願した。日本は、同交流協議会理事長の武覚超師(比叡山延暦寺長臈)が祈願文を奏上し、全員で般若心経を読誦(どくじゅ)。同交流協議会会長の伊藤唯眞師(浄土門主・知恩院門跡)の平和祈願メッセージが読み上げられた。

午後からはホテルに会場を移し、「国際学術講演会」が行われた。韓国佛教宗団協議会副会長の泓坡師、中国佛教協会副会長の明生法師、同交流協議会常任理事の持田日勇師が基調発言。この中で、日中韓の仏教者が「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の実践に取り組む「三国仏教連合六波羅蜜運動」の推進や、三国の「黄金の絆」を持続的に発展させる目的意識の明確化などが提言された。

次いで澤田部長ら7人が補充発言に立った。澤田部長は、縁起観を基に、無差別テロといった無慈悲な暴力行為を無くすには、事件を起こす背景や動機を探ることが必要で、「その大本を正さねば真の平和は訪れない」と考えられると指摘。各国の仏教徒には、団結を深め、神仏の智慧(ちえ)を世界に広める使命があると述べた。

左から、武覚超師、韓国仏教宗団協議会事務総長の月道師、明生法師

この後、「あらゆる暴力と戦争に反対し、世界平和に向け共同で努力する」といった内容を盛り込んだ「共同宣言文」が採択された。