【サイエンスカフェ広場「りっかRIKA」代表・島田誠さん】「ワクワク」が学びの入り口 科学の魅力を伝えて
最後に自分を支えるもの

行き詰まったり、落ち込んだりしたら、海を見に行くという島田さん
前述のように、私はかつて研究者を志していました。研究は、自ら立てた仮説を正しいと証明する作業です。真実を解き明かそうという強い意志を持った研究者たちが、互いに批評し合い、「どうやら確からしい」という結果に迫ります。一研究者の立場からすると、心血を注いでたどり着いた一つの答えについて、他の研究者から駄目出しされるので、落ち込むこともあります。つらくても研究を続けられたのは、科学が好きだという気持ちが、自分を支えていたからです。だから、「マニア」とか「オタク」と評されるほど「好き」と言えるものに出会えることは幸運なことです。
――今後の目標は?
いつも「りっかRIKA」のイベントに来てくれる小学5年生の男の子がいます。彼は「サメ博士」で、大人でも太刀打ちできないほどの知識を蓄えています。どうか彼には、サメに魅せられたという「宝物」を手放すことなく成長してほしいと願っています。

理科教室の講師は、島田さんの思いに共感した第一線に立つ研究者たち。講義後、壁にメッセージを残すのが恒例だ
私が子どもの頃、人と違った趣味を持つと、変なやつだとバカにされて、学校などで孤立するような空気感がありました。だから私は、理解者として、彼を見守りたいと強く思っています。会った時は必ず、新しい発見や最近の関心事について聞かせてもらっています。≪誰が何と言おうと、君の「好き」は邪魔させないよ≫と伝えたいですし、応援する大人が身近にいることで、彼の中に自信が芽生え、信じた道を進んでくれるのではないでしょうか。
私の夢は、この教室から、ノーベル賞を受賞するような世界に羽ばたく研究者を輩出すること。子どもたちの可能性は無限大です。目の前の子を信じ、一人ひとりの「好き」を一緒に面白がりながら、全力で向き合っていきたいと思います。
プロフィル
しまだ・まこと 1979年、沖縄県生まれ。サイエンスライター、編集者。琉球大学理学部、同大学院修士課程を経て九州大学理学部博士課程に進んだ(中退)。都内の理工系出版社に勤務後、2019年に帰郷。23年4月にサイエンスカフェ広場「りっかRIKA」を開設した。





