佼成学園高アメフト部「ロータス」の強さの秘密が書籍に 『連覇』(佼成出版社)発刊

佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」が日本一に上り詰めるまでの軌跡を、スポーツライターの相沢光一氏がつづった本紙デジタルの連載企画「弱小チームから常勝軍団へ」がこのほど、書籍化されました。

◇ ◇ ◇

2016年の「クリスマスボウル」(高校アメフト日本一決定戦)に初出場し、初優勝したロータス。そこから3連覇を果たし、2019年に4連覇を懸けた試合を戦うまで、公式戦52戦を無敗で勝ち続けた。都大会での敗退が当たり前だったロータスが、なぜ圧倒的な強さを誇るチームへと変貌することができたのか。その秘密に、スポーツライターの相沢氏が迫る。

ロータスが日本一の栄冠を勝ち取るまでの24年間、高校アメフト部の王座は大学付属校が独占していた。進学校で、受験勉強を優先しなければならないロータスは、創部から40年にわたって強豪校にいま一歩及ばない悔しさを味わい続けてきた。

小林孝至監督は進学校ならではのハンディキャップを糧に変える指導法を編み出し、チームは徐々に力をつけ、頭角を現す。

特筆すべきは、アメフトの技術指導だけでなく、人間教育によって個々の主体性を育み、その主体性が各人の能力を高めてチームワークへと結びついていく小林監督の指導力である。「透明性の高い実力評価制度」「優れた幹部を育成する組織運営術」「選手と保護者に向けた体づくりのための栄養指導」「筋力トレーニングに頼らない体幹強化法」「IT技術を駆使したスピーディーな復習システム」など、選手が競技に夢中になるための仕組みを作り上げてきた。これらがチームを自立させ、ロータスは毎年メンバーが入れ替わっても負けないチームへと進化していったのだ。

「あだ花がない」といわれる蓮をチーム名にした願い、謙虚に学び続ける姿勢、「素直・謙虚・感謝」のモットーなど、チームづくりの根幹が明かされる。

◇ ◇ ◇

『連覇 なぜ、佼成学園高校弱小アメフト部が日本一になれたのか』
相沢光一著
佼成出版社
1500円(税別)