原爆が投下された広島の子供たちと、米国の宗教者、信仰者の交流 実話を基にした物語が書籍に
書籍『夢のクレヨン希望にのって~ワシントンDCに届いたヒロシマの子供の心~』は、原爆で多くの犠牲を出し、壊滅的被害を受けた広島市の本川小学校に、1947年に支援物資を届けた米国人と、その返礼に絵を描いて送った子供たちの実話を基にした物語。広島県出身で、米国在住の舞台芸術家・重藤静美マナーレ氏が取材を基に創作しました。
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主人公は、原爆で家族を亡くし、叔母の家に疎開していて生き残った6歳の少女・花子。同じく戦争で家族を失った叔母と二人、悲しみを抱えながらも互いに励まし合い、力強く生きる姿が描かれている。バラック小屋でのつましい生活の様子や花子が通う小学校の生徒たちの会話から、子供の目に映った戦争の実態や原爆の脅威が語られる。
作中、花子が通う小学校に、クレヨンや画用紙などの学用品が米国からクリスマスプレゼントとして届く場面がある。これは1947年、ユニテリアン・ユニバーサリスト協会(UUA=本部・ボストン)のオールソウルズ教会(ワシントン)によって贈られたものだ。物語では、子供たちが受け取った画材で喜々として書画を製作し、作品を同教会に贈る様子がつづられている。巻末には、写真資料などが収録されており、広島の子供たちの書画48点がカラーで紹介されている。
著者は2006年に米国で、子供たちが贈った書画を見て感動し、創作を決意。同教会と共に書画の修復を進め、国内外に平和の尊さを伝える巡回展示に協力してきた。
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『夢のクレヨン希望にのって~ワシントンDCに届いたヒロシマの子供の心~』
重藤静美マナーレ著
文芸出版
1300円(税別)
UUAと立正佼成会は、1968年にデイナ・マクリーン・グリーリー初代会長と庭野日敬開祖が出会い、宗教協力に努めたその友情を基に、親交を深めている。2010年、巡回展示の一環としてUUAオールソウルズ教会の信徒が広島を訪れた際、本会広島教会が受け入れを担った。その後も両教会の信者が互いに訪問し合うなど、交流を重ねている。また、昨年11月には、本部の渉外グループにより「宗教対話プログラムinアメリカ」が行われ、本会会員が訪米し、オールソウルズ教会の信徒と交流した。今年2月には、UUAのスーザン・フレデリック・グレイ会長が本会本部を訪れた。