立正佼成会 庭野日鑛会長 10月の法話から
幼少年の教育のために
日本の国は今、大変な状況になっておりますが、政治も経済も幼少年の教育のためにこそ存在するのだ、という言葉を私はある本で読みました。もちろん、政治も経済も、それ自体が大事なことに違いありませんけれども、子どもが生まれて幼稚園児、少年くらいまで、その教育のためにこそ政治も経済もあるんだと、その本には載っておりました。ですから、今、政治がいろいろ動いておりますし、経済も大きな問題がありますけれども、私たちはやはり幼少年の教育、青年の教育、そうしたことをこれからも大事にしてまいりたい。
今年、私はおかげさまで米寿ということで、数えで88年、生きてまいりました。あと12年もいたしますと私どもの教団も100周年を迎える、そういう時に差しかかっております。皆さんと共に、幼少年、青年たちを育てていく教育ということに主力を注いで、これからも前進していきたいと願っておるところであります。
(10月15日)
極楽は皆身にある
あるお寺で頂いた小冊子に、「極楽」ということで、一休禅師の言葉がありました。
≪極楽は西にもあれば東にも 来た(北)道さがせ 皆身(みなみ=南)にぞある≫
ですから、東西南北どこにでも極楽があるのだということであります。「皆身にぞある」――「身」という字を使っておりますから、体の中にあるのです。極端に言えば、心ということでしょうかね。極楽は人間の身の中にある。それをもう少し柔らかく表現すると、「一休禅師は言いました。極楽浄土は西にあるわけではない。皆身にある。みんな自分が決めるのです」ということです。私はこの一休禅師の言葉を筆記して、いつも持っております。
私たちは、どこか余程よいところでなければ極楽ではないと思いがちですけれども、皆身にあるんだ、と言われます。心が感謝に満ちていると、もうその時は極楽であります。
(10月15日)





