一食50周年 9月は「啓発月間」 

「一食を捧げる運動」(一食運動)の50周年を記念するとともに、運動のさらなる推進を目指して、啓発月間が9月1日からスタートした。同運動の概要や理念、周年を記念した取り組み内容と共に、立正佼成会の庭野日鑛会長からのメッセージを紹介する。

世界の皆が笑顔で幸せに

一食運動は、本会の平和活動の重要な柱の一つ。1975年9月に「節食運動」として提唱され、「私たちは大いなる一つのいのちに生かされた兄弟姉妹である」という仏教観に基づく「同悲・祈り・布施」の三つの精神を大切に展開されてきた。実践者は、地球上の皆が笑顔に、幸せになってほしいとの願いで、月に数回、食事や嗜好(しこう)品をはじめライフスタイルに合わせてさまざまなものを控え、その費用分を献金して、平和の祈りを捧げてきた。

本会一食平和基金に寄せられた真心からの浄財は、国内を含む約80の国と地域を対象に、人道支援や教育支援、医療支援などの活動を展開する国内外のパートナー団体を通じて、紛争や災害、貧困などに苦しむ人々の救援に活用されてきた。これまでの拠出総額は160億円以上に上っている。

毎月1日と15日を中心に家庭や職場などで一食運動の実践が展開されている。こうした中、今年も昨年に引き続き、『こころがよろこぶ一食』(「中期推進計画」=2026年まで)をテーマに掲げ、運動に取り組む一人ひとりの誰かの役に立ちたいとの思い、実践できた喜びを大切に、近年のライフスタイルや価値観の多様化に沿った主体的な実践の形が提案されている。

また、9月13日と14日には同運動50周年を記念し、海外パートナー団体来日交流イベントが開催され(「Kitai」サイト参照・申し込みは同10日まで)、実践を通じて支援を受ける人(受益者)とのつながりが実感できるよう、オンラインによる対話の機会が提供される。このほか、一食運動のウェブサイト上で運動の理念に触れるワークの開設や献金箱などツールに関するデータの提供、映像の配信が行われている。さらに、同運動のウェブサイトやLINE公式アカウント「一食ニュース♡」を活用した情報発信などを通して、身近な人に実践の輪を広げていくことができる。

従来の「教会に届ける」「現金を指定口座に振り込む」といった献金方法以外に個人のスマートフォンを使う「オンライン献金」もあり、運動に賛同する全ての人(会員・未会員問わず)にとって、それぞれのスタイルに合わせた実践が可能となっている。

◆「一食を捧げる運動」ウェブサイト https://ichijiki.org/

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