新宗連青年会 平和学習会

昭和20年3月10日、東京の景色は一変する。

「午前零時過ぎ、B29が焼夷弾(しょういだん)を雨あられのように落とす中、兄に手を引っ張られて必死に逃げました」

講師の墨田教会会員(89)が話すのは東京大空襲の体験だ。戦火が収まった明け方、黒く焼けた亡骸(なきがら)を横目に家族と共にわが家に戻った。しかし、そこには何もない。誰が悪いとか、相手を恨むとか、そんな考えはなかったが、「道路の形で、自分が遊んだ所だと分かって大泣きした」という。

体験を語った後、会員は訴えた。「言葉では、戦争の苦しみはなかなか伝わりません。大きな和、大和の日本に生きる私たち一人ひとりが、たくさんのご先祖のおかげで生きている大切な存在だと自覚して、相手の気持ちになって行動することで世の中は変わるのです」。

8月14日、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)は「8・14平和学習会2025」を大聖ホール(東京都杉並区)で開催し(オンライン併用)、加盟教団の会員信徒約70人が参加した。講演後、グループワークが行われ、崇教眞光の信者(30)は「行動で表すのは難しいですが、自分の信仰を深め、感謝の心で、人に寄り添う、心の下座の実践をしていきたい」とかみしめた。
 毎年行われている「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」は60回の節目を迎え、名称を「青年平和式典」に変更し、11月30日に千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開催される。