今年の寒修行終わる 初日に光祥次代会長があいさつ 絶えざる自己刷新を願う

大聖堂では初日に、光祥次代会長導師のもと読誦修行が行われた

『法華三部経』全巻を読誦(どくじゅ)し、新たな一年の精進を誓う「寒中読誦修行」(寒修行)が、東京・杉並区の大聖堂はじめ全国の教会で実施された。大聖堂では「大寒」の1月20日から「節分」の2月2日まで、午前6時から読誦修行が行われ、その様子はインターネットでライブ配信(会員限定)された。

早朝のにわか雨が乾いた空気を潤した1月20日の寒修行初日、しんと静まった大聖堂に導師をつとめる庭野光祥次代会長の声が響き、「無量義経」の「徳行品第一」「説法品第二」「十功徳品第三」の読誦修行が行われた。

終了後、あいさつに立った光祥次代会長は、ある日の夕食時を振り返り、新入社員全員が黒のスーツを着ている入社式のニュースに、「もっと自分らしくすればいいのに」と批判めいた言葉が出たと説明。すると、家族から「個性を出すところはそこじゃない。プライベートで、自分のしたいことをする時に自分らしくすればいい」と返されたと話した。無意識の思い込みや固定観念が洗い流され、すがすがしい気分になれたと吐露し、「若い人の考えや思いに触れて、自分の感覚や感性を揺さぶり、リニューアルしていきたいと強く思った」と話した。

さらに、昔の寒修行の大変さに対し、「一人でオンラインの準備をして読誦修行を続けるのも大変。その時代、その状況での大変さもある」という見方を持つ人もいることを紹介。話してみないと分からないものがあると話し、「自分と違う感覚を持つ人に触れることは、“自分が正しい”という思い込みを問い直し、執着を手放し、新しい自分になれるチャンス。今年も、たくさんの方々との出会いによって、絶えざる自己解体、自己刷新をしていきたい」と語った。

最終日の2月2日には、導師をつとめた和田惠久巳総務部長があいさつ。“毎日が真(ま)っ新(さら)な一日”と実感するために、「目の前の新たな出来事や人と遭遇し、驚きや自分にはない発想を得ながら、巳(へび)のように脱皮していきたい」と結び、14日間の寒修行を終えた。