第48回生誕地まつり 秋晴れの十日町で元気に市中行進(動画あり)

沼田教会は、巨大な天狗面をあしらった「天狗みこし」と、子どもたちが山車に乗って奏でる「天狗太鼓」を披露。総勢100人の会員が参加し、笑顔で行進した

「第48回生誕地まつり」(主催・同実行委員会)が10月13日、立正佼成会の庭野日敬開祖生誕の地である新潟・十日町市で開催された。秋晴れの空の下、昨年を上回る市民や会員が集い、参加者は延べ1万1000人に上った。本会から庭野日鑛会長、熊野隆規理事長をはじめ教団役職者らが出席。多くの来賓も招かれ、「市中行進」の参加者を温かく見守った。

当日の様子(クリックして動画再生)

「生誕地まつり」は、十日町市名誉市民である庭野開祖の功績を讃(たた)えるとともに、文化的な交流を深め、同市の振興・発展に寄与することを目的に行われている。同市観光協会、商工会議所、「庭野日敬師に学ぶ会」、本会十日町教会などが実行委員会を組織し、市民と地域、本会が一体となって開催してきた。

当日は午前10時より、国道117号の本町1丁目朝日堂前から、本町4丁目小嶋屋本店前までの640メートルを会場に「市中行進」が実施され、46地域の3637人が参加。行進の模様は、立花産業株式会社協力のもとライブ配信された。

沿道からの声援を力に、元気に練り歩く会員たち

会員たちは万灯やマトイ、鳴り物のほか、各地域の郷土芸能やダンスを取り入れた行進を繰り広げ、沿道からはたくさんの歓声や手拍子が上がった。

参加教会には、民謡やご当地ソングを取り入れたところも多かった。会津教会では、白虎隊の衣装に身を包んだ会員が「会津磐梯山」をしとやかに踊った。佐渡教会は、「佐渡金山」の世界文化遺産登録と、同教会の発足60周年を祝して「金山節」を披露。金色のポンポンを手に持つなど、にぎやかな装飾で行進に花を添えた。

「銚子大漁節・やっぺ踊り」を演目に選んだのは銚子教会。支部長の女性(72)は、「どちらも地元で歌い継がれる歌で、大漁節は百数十年前、たくさんのイワシがとれた時にできました。今回は、久しぶりに生誕地まつりへ参加できた感謝の思いで踊りました。来られなかった皆さんとも喜びを分かち合いたいです」と語った。

庭野会長や教団役職者、多くの来賓も出席し、市中行進の参加者を温かく見守った

また、華やかな山車や神輿(みこし)などと共に練り歩く教会も見られた。新津教会は、“鉄道のまち”新津にちなみ、蒸気機関車を模した山車「SLにいつ号」を制作。山車には子どもたちが乗り込み、見物客はうちわを振って声援を送った。寺泊教会では、千年の昔から伝わる大祭「弥彦燈籠まつり」でも披露してきた彩り豊かな燈籠を、壮年部員たちが勇壮に担ぎ上げた。

会場付近の通りや施設では、十日町の名産品などを販売する「おかめ市」「ふるさと広場」「とおかまち特産市場」が催された。このうち、おかめ市ではステージイベントも行われ、地元の高校生やパフォーマーと共に、調布教会のバトンチーム「リトルマヤ」も出演。軽やかなバトンさばきで観客を魅了した。

今回、ふるさと広場に初めて出展し、魚沼産コシヒカリを販売した白羽毛ドリームファームの樋口徹代表は、「行進の人も見物の人も、みんなが笑顔で楽しんでいる様子が印象的でした。行進を終えた後に寄ってくれる方もいて、有り難かったです」と感想を述べた。

閉会式に参加する青年部員たち

午後2時半からは、駅通りで閉会式が挙行された。冒頭、生誕地まつり実行委員会の柳一成会長(同市観光協会代表理事)が「十日町へおかえりなさい」とあいさつ。同まつりが今後も、本会と十日町の「架け橋」として続いていくよう念願した。花角英世新潟県知事と関口芳史十日町市長の祝辞の後、「追い込み」を実施。会員たちは笛、鉦(かね)、太鼓の音を絶え間なく響かせながら、喜びを爆発させるようにマトイや万灯を天高く振り、盛大なフィナーレを飾った。

あいさつに立った庭野会長は、「今日は皆さんが元気な姿で行進をされ、私もたくさんの元気を頂きました。お疲れでしょうけれど、これからも元気に活動して頂きたい」と参加者を労った。また、米どころの十日町で過ごした少年期を振り返るとともに、昨年、青梅練成道場で70年ぶりに田植えを体験したことに言及。「瑞穂の国」の日本に生きる一人ひとりが、田植えや稲刈りを通し、日々の食事に思いを馳(は)せる大切さを示した。

なお、開催前日の12日には、庭野会長が同市総鎮守の諏訪神社を参拝したほか、多くの会員が同市菅沼を訪れ、庭野開祖の「ご生家」や「ご墓所」を巡りその遺徳を偲(しの)んだ。

「追い込み」を行った会員たちは、喜びを爆発させるようにマトイや万灯を天高く振り、盛大なフィナーレを飾った

【次ページ:当日に向けた御殿場、長岡両教会の取り組み】