大月教会発足70周年記念式典 会えなくても心をつなぐ

読経供養を厳修し、柴田雅沙代教会長による庭野日鑛会長の啓白文奏上が行われた

立正佼成会大月教会は今年、教会発足70周年を迎えた。コロナ禍でじかに会えない日々が続いたが、何とかサンガ(教えの仲間)と心をつなぎとめる触れ合いをできないかと、7月22、23の両日に行われる記念式典に向けて準備を進めてきた。

会員が手掛けた日めくりカレンダー

記念品として配布された卓上カレンダーはその一つだ。地域の魅力を伝えるため、会員が撮影した富士山や季節の花々などの写真を掲載。その横には、「目に見えないたくさんの恩恵」「素直に行じていけばいい」など、庭野日敬開祖の『開祖随感』から抜粋した言葉を添えた。

また、70年の月日を支えた諸先輩に感謝を届けたいと、『未来へつなぐ継承の木』と題し、菩提樹の葉をかたどったメッセージカードを法座席の壁に掲示。そこには、「佼成会に出会えてよかった」「何もかも感謝だね」といった言葉がつづられた。

こうして迎えた記念式典は、『出逢えて良かった佼成会 おお!月が教会照らして70年』をテーマに、教会道場でオンラインを併用して開催された。高齢会員が配信映像を見られるかを心配する声もあったが、サンガ同士で声をかけ合い、皆が視聴できるようサポートに努めた。

22日は、読経供養の後、これまで布教に尽くした先輩会員への感謝を込めた功労者表彰が行われた。

翌23日には、事前収録した映像が配信された。この中で、体験説法に立った少年部長(53)は、コロナ禍により、観光会社で働く夫の仕事が激減し、生活苦に直面して夫婦の口論が絶えなかった当時を述懐。サンガとの触れ合いを通して、転職に向けた資格取得に取り組むなど懸命に家族を支えようとしている夫の思いに気づき、感謝が込み上げたと語った。

講話に立った山中快之中部教区長は、いつの時代も苦の根源は「貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」の三毒であると示し、布施行の実践を通して自分本位な見方を変える大切さを説いた。

未来へつなぐ継承の木

司会を務めた青年女子部長(34)は「今の自分がいるのは、ご先祖さまがいのちをつなぎ、大月教会の先輩たちが教えを伝えてくださったおかげさまです。昨年生まれた信仰5代目の娘に教えを継承できる母になりたい」と語った。