本会一食平和基金から緊急支援 インドに逃れたミャンマー難民、フィリピンの台風被害に対し
立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、政情不安が続くミャンマーからインドに逃れた難民の支援に200万円、昨年10月にフィリピンで発生した台風被害の支援に100万円を緊急に拠出することを発表した。
ミャンマーでは一昨年2月の軍事クーデター以降、国軍による市民の弾圧や殺害が繰り返されている。この影響で、同国西部のチン州と国境を接するインド・ミゾラム州には、これまで4万人以上の難民が流入しているという。
しかし、インド中央政府は難民の受け入れを認めておらず、また、同国は難民条約にも未批准であることから、国や国連機関からの公的支援が得られない状態が続いている。現在、ミゾラム州政府や市民が主体となり、難民キャンプで生活する子供たちの学校への受け入れや避難用の施設の貸し出しなどが行われているが、善意の活動のため、支援の絶対量が不足している。難民が直面する食料や現金収入の不足に対しては、より幅広い支援が求められている。
こうした報告を受けた同運営委では、南アジア地域で人道支援に取り組むNGOジュマ・ネットに200万円の助成を決定。ジュマ・ネットは、現地のNGOと協力しながら難民キャンプで生活する1000世帯への食料配布を実施する予定で、会員からの浄財はそこに充てられる。
一方、フィリピンでは昨年10月27日に台風22号(アジア名・ナルガエ)が直撃し、ミンダナオ島では農村地域の大部分が浸水した。中でもコタバト市および近隣の低地帯の被害が深刻で、政府当局の発表では死者101人、行方不明者66人、被災者は約204万人に上ると報告された(昨年10月31日時点)。洪水による被害は米などの農作物や家畜にも及んでおり、生活基盤や家財を失ったことで避難を余儀なくされた住民も少なくない。
100万円の支援金は、「親子で取り組むゆめポッケ」のパートナー団体である現地NGOのミンダナオ子ども図書館(MCL)に寄託される。MCLは、避難生活を送る約1000世帯の家族を対象に、皿、スプーン、毛布、懐中電灯といった生活用品を配布する。