学林生が日本仏教の母山で修行体験

学林生たちは比叡山延暦寺で回峰行を体験し、境内の聖地を巡った

立正佼成会学林の他教団練成が10月4日から6日まで行われ、学林本科57期生と海外修養科29期生5人が、比叡山延暦寺、八坂神社、法隆寺、東大寺を訪問した。同練成は、国内の宗教の聖地を訪れ、歴史や教えについて理解を深めるとともに、庭野日敬開祖の宗教協力の精神を学ぶことが目的。杉野恭一学林学長、佐原透修総務部次長(渉外グループ)が同行した。

5日早朝、一行は日本仏教の母山として知られる天台宗総本山・比叡山延暦寺を訪れ、根本中堂で同寺の僧侶が行う勤行に参加した後、坐禅修行に取り組んだ。次いで、境内の聖地を巡る「回峰行」を体験。その山中、比叡山の開祖である伝教大師最澄の廟所(びょうしょ)である浄土院や、聖徳太子ゆかりの本尊が安置された椿堂などを拝観して回った。

午後には京都・東山区の八坂神社を参拝し、野村明義宮司の講演を聴講した。この中で野村宮司は、江戸時代の儒学者である山鹿素行が著した歴史書『中朝事実』を解説。同書に記された「礼のみ教え(礼儀章)」について触れ、礼儀は物事の秩序を示しており、「礼が乱れると世の中に混乱を招く」と述べ、人類にとって最も大切な教えの一つであると語った。

6日には、聖徳宗総本山法隆寺(奈良・斑鳩町)と華厳宗大本山東大寺(奈良市)を訪問。法隆寺では古谷正覚管長、東大寺では上司永照執事長が学林生に向けて「お言葉」を述べた。

参加した学林生からは、「多くの祖師が修行された神聖な場所で坐禅を経験し、本当の自分を見つめるヒントを教えて頂きました」「開祖さまの宗教協力の精神をこれからどのように体現していくのかを改めて考えていきたい」などの感想が寄せられた。